「委員会議事録」

日本の財政は大丈夫なのか
参議院決算委員会で質疑(平成10年12月17日)


〇松村龍二君
 まず、日本の財政状況は大丈夫なんだろうかということについて質問させていただきます。
 私は、実は昭和52年から55年まで総理府の広報室というところで政府広報に3年間従 事いたしていたことがあります。その際に、やっぱり財政再建の広報を行う必要があると いうことで、時の大蔵大臣、渡辺美智雄大臣が自らアイデアを出されまして、渡辺美智雄 大臣の漫画のキャラクターで、家計に例えてみると、52万円の生活をする人が消費者金 融から24万円のお金を借りておる、28万円は給料だ、それで積もり積もった借金が7 0万円になっておるというふうな広告でございました。私もその広告をつくることに携わ っておりまして、その後財政再建ということに関心を深くしているわけです。
 その後、橋本総理はそのような現在の日本の財政状況を深く考慮いたしまして財政構造改 革という路線をとったわけであります。現在、国際の累積が250兆円を超える、また地 方自治体の再建も累積が160兆円を超える、いろいろ合わせると総計500兆円の国の 借金がある、この金額は国民総生産を上回るということであります。そこで、平成8年の 終わりごろから一生懸命財政再建の路線をとったわけです。
 私はちょうど2年前の平成8年12月26日に、当決算委員会で質問をさせていただきま した。そして、三塚大蔵大臣に、多額の公債というのは、超インフレによって解消すると か、あるいはさきの第二次世界大戦のように公債を発行していたものが紙切れになってし まうとか、そういう方法でければ、財政の切り込みを行って公債を少なくする、借金を少 なくしていかなければ財政の硬直化を招く。よほど財政構造改革が伴わないと「国民の経 済をただただ冷やしていくということにもなろうかと思うわけでございます。その辺のさ じかげんにつきまして力量を十分発揮していただきますようお願い申し上げる次第でござ います」と、私はこういう質問をしたわけです。
 私はもともと治安関係の官庁に長くおりまして、経済のことは自分ではわからないという 気持ちを持っていたわけですけれども、まさに2年前の質問が図に当たっておるわけであ りまして、私がただいまからする質問も決して的外れではないだろうという観点で質問を させていただきます。
 大変景気が悪いということで、私どもも地元に参りましてそのようなことを聞きます。 ご老人の方は何か貯金は持っているように見えますけれども、耳に聞こえる声は景気が悪 い景気が悪いということで、ともかく大変な状況であるということは疑いもございません。
 そういう中で、金融システムの再生、貸し渋り対策、特別減税、恒久減税、公共資本との 充実といった政策をとりまして景気の回復に今躍起になっておる。小渕総理大臣がこの前 の参議院選挙の後、総理になられまして大変積極的な施策を展開しているわけでございま す。その小渕総理の経済政策は、まさにあのときの経緯から申しましても宮澤大蔵大臣が すべて携わっておられるというふうに承知しておるわけでございます。
 本日も自民党の税調でいろいろ税制改正の大綱がどうなったというようなことが載ってお ります。私も海運関係について、造船の特別措置等について税調の中で声を張り上げまし て、これも実現したということで、一面喜んでおるわけでございます。

*電源立地の振興策をどうするのか

 ちょっと財政再建の質問に入る前にもう一つ申し上げるわけですが、私も選挙区から出て おります議員でありますので地元の発展にすべての精力を傾注するわけであります。
 例えば、我が福井県は原子力発電のメッカでありまして、15基の発電所で700億キロ ワットの電気を生産しております。その大半は関西に行っておりまして、大阪、京都の全 電力消費量を15基の発電所がつくっておる、こういうことです。その電力生産地の福井 県の若狭地方で電車が走っていない。ディーゼルカーがとことこと時速40キロで走って おる。しかも、1時間に2本ぐらいの頻度で走っておるということであります。
 それから、科学技術庁、通産省、いろいろ気を使っていただきまして、地域の振興という ことに意を払っていただくわけですが、原子力立地に対して長期交付金という制度が今年 からできまして、100万キロワット当たり8000万円の交付金が出るということにな ったわけです。この若狭地方は1市3町で原子力発電所を持っております。しかし、その 間にある1市3町1村ですか、これが原子力発電をしていない。そうしますと、この原子 力発電所周辺地は全くお金が入ってこない。ただでさえ地方自治の財源が枯渇している中 で、「隣の町は裕福」「今度、小浜線を電化するので各町は負担金を出してくれ」「高速 道路をつくるので、各町も応分に負担しないといかぬ」部分もあるわけですが、そうしま すと非常に窮乏感が強くて枯渇感がある。
 今から21世紀に向けてクリーンエネルギー、炭酸ガスを伸び率に対して9%減らさない といかぬということからいたしますと、原子力発電所をまた20基つくらぬといかぬとい うことなんですが、現在のような状況ですと、とてもその原子力立地をさらに支えようと いう気にならない。こういったことに対してしっかりとした施策を示していただきたい。 これはやはり財政の力によらないとできないわけでありまして、そのような需要がござい ます。
 ここでは科学技術庁長官に、原子力、このような地域の振興の問題について、お伺いいた します。
〇国務大臣(竹山祐君)
 松村委員が地元の福井県におかれましては、原子力発電の立地県としての日ごろの御貢 献に対して、科学技術庁の責任者としても深く感謝をしているところでございます。
 原子力の開発利用を進めるに当たっての問題はご発言のとおり、まさに地元の皆さん方、 ひいては国民の理解の上に立ってこれを行っていかなければならないということは申すま でもないことでございます。こうした観点から、原子力施設の立地市町村並びに周辺市町 村の振興策については、こうした地域の重要性にかんがみて電源三法に基づいて措置を講 じているわけでございまして、当然地域の広域的な振興が図られるように努めているとこ ろでございます。
 具体的には、県を対象としまして企業導入や産業近代化の支援、科学技術の振興等の促進 を通じて地域振興を図るとともに、原子力施設の周辺市町村における公共用施設の整備や 電気料金の割引等を行うことによって周辺地域への配慮もともに行っているということで ございます。
 また、昨年、平成9年の1月から、電源開発調整審議会の震源立地部会の審議対象を拡充 いたしまして、福井県においても、大規模な原子力発電施設の所在する地域を対象に関係 12省庁、大蔵省はもとより、運輸、建設、自治等12の省庁が一体となりまして、広域 的な地域振興計画について助言、協力を行う体制を整備しているところでございます。
 私ども科学技術庁といたしましても、関係省庁のみならず、地元の自治体とも連携を密に 図って、御指摘のありましたとおり、地域全体が原子力立地をしてよかったということ地 元の住民の皆さんとともにお感じをいただけるような、地域の周辺を含めて、自立的、広 域的な発展が確保されるように今後とも一層努力をしていきたい、こんな考えまでござい ます。

財政再建と公共事業、どちらも大事

〇松村龍二君
 次に公共事業、後ほどいろいろ厳しい質問をするものですから、ちょっと事前にいかに 感謝しているかということをまず申し上げるわけです。
 公共事業について否定的なことをおっしゃる政党もございますが、私どもは公共事業が 地域の発展にとって、非常にありがたいということでございます。
 先般、7月から8月にかけて大変な集中豪雨がありました。1時間に50ミリとか、2 時間にまた200ミリぐらい一地域で集中的に雨が降るといったことが5、6回続きま して大変な災害を受けたわけです。ご承知のとおり日本全土でも茨城、北関東を中心に 、また東北、新潟に大変な災害があったわけですが、幸い大きな堤防の決壊によって住 宅が流れるとか人身に被害があるといったことを最小限に食いとどめましたのは、やは り戦後の建設行政、河川行政をこつこつとやっておった成果であろう、日本のような急 峻な地域において絶えず頑張ってきたことがいざというときに災害を少なくしておる。 食糧が足りない国もありますが、食糧がないというのは単に農業の政策だけでなくて山 が荒れておるといったこともあるわけでありまして、そのようなこともございます。
 それから、先ほどお話いたしました若狭地方ですけれども、国道が一本しかなくて、阪 神・淡路大震災の後に兵庫県を通ることができないというので日本海側の27号線一本 を通りまして、ただでさえ一本しかない道路が混雑する。海水浴客のころには、この唯 一の観光資源を当てにしている地域が、住民が隣町へ行くこともできないというぐらい 渋滞で困っているわけですが、それがこのたび高速道路をつけていただけるというふう な機運になっております。これも償還期限を延期するということを大蔵省に認めていた だきまして、ようやく施行命令がおりるであろうということを期待しているわけです。 それから、中部縦貫自動車道という道路がありまして、これが松本から飛騨を通って福 井へ抜けてくる道路で、いわば日本の背骨を通る高速道路であります。先般、安房峠が 開通いたしまして、飛騨へ東京から定期バスが通うようになって多数の客が入り込むよ うになった。この道路ができますと、私どもの地元から東京へ行くのに、従来6時間で あったところが5時間、私の方は山奥ですからさらに短い時間で東京へ行き来、また名 古屋へ行き来することができるといったことで、このような道路一つにしましても、公 共資本を充実していただいておるということは本当に必要なことである、また景気対策 上も大変にいいことであるというふうに認識しているわけでございます。
 そこで、そのような日本じゅうお金が必要だ必要だ、また減税しろというふうなことで、 冒頭申しましたような日本の財政がもつのかどうか、心ある国民は最近そういうことも 気にしていると思いますので、大蔵大臣のご高見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君)
 冒頭にお話がありました政府の財政についてのPRに御従事なさいましたときは鈴木内 閣のときでいらしたんじゃないかと思いますが、あのときのそういう財政キャンペーン 、あの後にプラザ合意がございまして大変苦しみました。同時に、ブームになりました ときは歳入補てん公債もやめることができた、そういういっときもございます。その後、 またブームの裏側が出まして、いっとき、橋本内閣、平成7、8年のときはちょっと成 長がいいかと思いましたが、やっぱりこういう大きな後遺症で今日のような状況となっ ております。
 したがって、この際の財政としては、やはり景気の回復ということが至上命題であろう と私は考えていまして、先ほどお話しのように、確かに財政の姿は非常に悪くなってお ります。単年度で申しますと、補正後のただいまのわが国の姿は、中央、地方を合わせ ますと単年度の赤字がGDPの9.8%とかいう数字でございますから、それは、この間 ユーロに入るために各国がやりましたメルクマールが3%でございますので、それと比 べますともう比べものにならないほど悪くなっております。
 私は今、この不況をとにかく乗り切らなければならないと考えておりますから、これは やむを得ないと思っておりますし、恐らくまた来年度も、それから予算編成をいたしま すけれども、決してその姿はよくならないと考えておかなければなりません。
 しかしこれは、財政再建が必要だ必要でないということではなくて、私自身は、やがて わが国の経済成長力が普通に返りまして、本来の潜在的な力を発揮する時期が必ず来る 、そのときには少なくとも2%、最低2%程度の経済成長はするであろうと考えており ますから、したがいまして、そういう場合にGDPそのものがもっと伸びていなければ ならないはずであって、赤字そのものもさることながら、GDPが成長することによっ て、それが国民負担における相対的なウエートを小さくするという形で財政、経済は運 営されなければならないというふうに思っております。
 先般、財政構造改革法の凍結につきましてご賛成をいただきましたが、これは、財政再 建が入り用ではないということではなくて、日本経済がまず安定した成長軌道に乗った と判断できる、恐らく21世紀の初頭であろうと思いますが、そのときに本格的に財政、 税制の再建を図らなければならない、こう考えておりますし、それはできると思っており ますから、今の状況について、私は、決して手放しで楽観はいたしておりませんけれど も、将来についてそんなにわが国の行く先を心配はいたしておりません。それだけの力 が我々にはあるというふうに考えております。

「納税は義務である」ことのPRが必要

〇松村龍二君
 国税の税収につきましては、今回の補正予算でも6兆8840億円もの減額補正を行 った。恒久的な減税で、大規模な減税。これも、西欧ではプレーンな減税で、個人所得 税は50%上限、法人税は40%上限ということで、それに合わせると、そういうこと ですが、日本の場合、先ほどもちょっとふれましたようないろいろな個別的な減税措置 、特別な措置、いろんな引当金とか持っているわけですね。それを背負ったまま40% 、30%ということにすると、諸外国よりもかなり税金が低くなるんじゃないかという ふうな感じもするわけです。
 医療や年金などの社会保障、教育・科学技術の振興、国の安全保障、住宅や道路の整備 と、少子・高齢化の時代に大変な歳出の増加が今後予想されるわけです。今、大蔵大臣 は任せておけ、大丈夫だ、こういうお話でございましたのでほっとしたわけであります。
 そこで一つお伺いするわけですが、憲法三十条は、「国民は、法律の定めるところによ り、納税の義務を負ふ」と書いてあるわけですが、憲法三十条ということを教育された ような記憶もないわけです。外国においては何かその辺、納税の義務について小学校の ときから教えているというような話も聞くわけです。それじゃ日本人の納税意識が低い のかといいますと、サラリーマンが源泉徴収で所得税をしっかり引かれていても別に反 乱を起こしたという話も聞きませんので、非常に納税意識は高いというふうにも一面見 られるわけです。しかし、納税によって自分たちの国の政治を行っているという意識の 点になると多少希薄な点があるのではないかというふうにも思います。昨今、与野党を 問わず政治家は、国は打ち出の小づちのようにお金があるんだろう、出せ出せ、減税を しろという声で満ち満ちていていまして、国の懐を心配しているのは総理大臣と大蔵大 臣と大蔵省のお役人だけかなと。しかし、昨今どうもそれも疑わしいというようなこと も、たまに感じたこともあります。
 それから、消費税率の引き下げについても、日本人の肌合いに合わないのかどうか知り ませんが、消費税はもう下げたらどうか、ない方がいいんじゃないかというふうな声を 私ども地元へ行っても至るところで聞くわけでございます。したがって、国民に対して 納税の義務といいましょうか、納税についての正しい知識をPRするといいますか、そ ういうことも大変に重要なことではないかというふうに思います。
 私も、かつて総理府の広報室におりましたときに、国税庁の広告をいたしましたところ、 正面切ったそういう広告ではなくて医療還付金がある、なんとか還付金がある、そうい う還付金についてだけPRしてくれということでPRしたことがありますけれども、正 面切っての納税についての教育、PRあるいは小学校からの国民としての納税の義務の 教育、こういうものについてどうなっているのか教えていただきたいと思います。
〇国務大臣(宮澤喜一君)
 最近、ラジオを聞いておりますと、この放送は皆さんからいただいた料金でなされて おりますというようなことを時々申しますね。あれは恐らく料金徴収のためのPRでも あろうと思いますけれども、国でいいますと、これだけ国民から税金をいただいていま す、税金をいただいてこれだけの仕事ができておりますということを国民に絶えず分か っていただくことは大変大事なことだろう。私どもはそれはともすると忘れまして、い ただくのが当たり前だというような頭になりますけれども、やっぱり税金をもらったか らこれだけのことができておりますということを絶えず国民に分かってもらって、それ で納税をしてもらうという、そういう努力は、やっぱり国も一つの経済体でございます から、私は大事なことであろうと思っております。
 もとより、憲法における納税の義務というのは、学習指導要領なんかでも小さいときか ら時にふれて分かってもらうようにはいたしております。それはいたしておりますが、 やはり政府としてのそういう一種のPRも大事なんではないかと思います。

予算査定は適切かつ十分に行われているのか

〇松村龍二君
 次に、大蔵省の予算の査定についてお伺いするわけですが、うちの大蔵省は財布の ひもが厳しくてと、昔からこういう言葉があります。大蔵省は予算の査定ということ については非常に厳しい、なかなか予算をつけてくれないということで過去推移して きたと思うんです。
 しかし、シーリングからマイナスシーリングといったころに、年末に膨大な5割増し の予算をふっかけられて、もう削るのが大変だ、各省庁に天井を示すから各省庁の中 で考えてきてくださいと、それをマイナスシーリングとか、いろいろな時代がありま したけれども、その省庁にとっては必要であっても日本国家としてはあまり必要でな いといったようなこともまれにあるんではないか。
 そういう意味において、大蔵省の予算の査定の力というのは大変に重要であろうかと 思いますが、今の大蔵省の査定の力は十分であるかどうか、お聞かせをいただきたい と思います。
〇国務大臣(宮澤喜一君)
 毎年予算編成をいたしますときには、ご承知のように必ず国において予算編成方針 というものを閣議決定し、その上でやっております。
 このことは何でもないようでございましても、予算編成方針がまとまるまでの間に は、これは委員は公務員としてのご経験がおありでご存じでございますけれども、 各省庁でやっぱり積み上げてまいりますので、その間において各省庁が持っている 問題意識というものは十分に予算編成方針の中に化体されていく。そういうプロセ スをとっておりますから、あれはただの作文ではないわけでありまして、やっぱり その時々のアクセントがあの予算編成方針についている、それに基づいて査定が行 われているというふうに考えてよろしいのではないかと思います。
 もとより、もっともっと細かい一つひとつのプロジェクトになりますと、査定につ いてのやり方が適当であったかどうかということは恐らくございましょうと思いま すけれども、基本的には十年一日ではなく、やはりその時々の編成方針にしたがっ てなされているというふうに考えております。

六つの海峡横断新プロジェクトが必要なのか

〇松村龍二君
 次に、各論の幾つかの問題について触れさせていただきます。
 まず第一にお伺いしたいのは、新全国総合開発計画の問題でございます。 ことしの3月に国土庁から「新・全国総合開発計画 21世紀の国土のグラ ンドデザイン 地域の自立の促進と美しい国土の創造」ということで五全総 が示されたわけです。
 先ほどからくどく申しあげておりますが、昭和52年ごろ広報室におりま したときに三全総ができまして、北陸自動車道を完成させたいといった夢が あるといって広告したことがあります。このたび五全総ができたわけですが 、五全総と言わないで「21世紀の国土のグランドデザイン」と言うそうで す。それで「美しい国土の創造」と、何かちょっといかがわしいような名 前だなというふうにも私は感ずるわけです。
 この計画の中に六つの海峡横断プロジェクト構想があるわけです。この 「要約」の中では一言も書いてありません。六つの海峡のお話は、私も党 の勉強会でこれが出るときに出席したんですが、そのような海峡の橋の話 は一言もありませんでした。しかし、翌日新聞を見ますと、この五全総の ねらいは6の海峡、東京湾にさらに新しい第二東京湾岸道路をつくる、伊 勢湾に伊勢湾口道路をつくる、和歌山と四国の間に紀淡道路をつくる、そ れから四国と九州の間の豊予海峡に道路かトンネルか知りませんがつくる 、こういうのがねらいであるということが新聞に報道されておるわけです 。現在、四国に橋が三つできるという状況の中で、しかも採算が合わない と、税金でつくるんではなくて国から借金して橋をつくるわけでしょうが 、後ほど回収するにしても利用者がいなければ回収できないということで 、四国にさらにあと橋をつくるということが実際的なことなのかどうか。
 先ほど申しました国の方でお金がない、いろいろ使う道があるといった 中で、さらに東京湾に道路をつくり、四国と紀州に橋をつくるといったこ とが正面切ってとりあげられているように見えるわけですが、国土庁は、 長官お見えいただいて大変恐縮でございますが、この総合開発計画のただ いまの問題につきまして凍結するようなお気持ちはないのか、ちょっとお 考えをお聞かせいただきたいと思います。
〇国務大臣(井上吉夫君)
 松村委員から、今の厳しい財政事情、そして公共事業については特に 効果なりをしっかり見定めてやらなきゃならぬ、そういう立場を中心に 置きながら全体の御質問と伺いました。
 そこで、今御質問のありました「二十一世紀の国土のグランドデザイン 」につきまして、どういう取り扱いをしながら国土庁はこれに対応して いるかという議論の過程を若干集約いたしましてお答えとさせていただ きたいと思うんです。
 第一は、新しい全国総合計画であります「二十一世紀の国土のグラン ドデザイン」におきましては、多軸型の国土構造の形成を長期構想とし て掲げ、多様な主体の参加と地域間の連携により自立的な地域づくりを 進めることとしております。したがって、このことに加えて言うならば 、全部をすぐに立ち上げるというとらえ方よりも、これから先の国土軸 をどういう形で考えていくべきなのか、やっぱりそれぞれの地域が大き な夢を描きながら先々こういう国土づくりをしていきたいなという意味 では今若干触れましたように、いわば長期構想としての位置づけで多軸 型の国土構造の形成を考えているのが前提であります。
 このため、特に交通基盤の整備は地域間の連携を促進する上で大変重 要であると考えます。松村委員もおっしゃいましたように、何かといえ ばやっぱり自分の置かれている選挙区域の福井のことをまず中心にしな がら、いろんなことを絶えずやっていかなきゃならぬという側面を、私 どもは全部大なり小なり基本的にもっていると思います。したがって、 この六つのプロジェクトも、自分のところに直接かかわりのあるところ とそうではないところでは、かなり評価に濃淡があると思うんです。
 いずれにしても、国土庁がものを考える場合は国土の均衡ある発展と いうのを大前提において、いろんな考え方の基本を据えておりますから、 このことを別な言葉で言えば、東京の一極集中を排除して何としても過 密の弊害というものをなくする、一方では、そうでない多くの地域は過 疎に悩んでいる、そういうところにどうやれば活力を求められるのかと いう、そういうとらえ方で国土政策を考えるものですから、構想の中で はやっぱり長期のプランと目の前の、今年、来年という短期のプランと いうものの両方を考えながら進めていかなきゃならぬというぐあいに思 います。長期のプランとなりますと、相当な期間をかけながら、いろん な角度からのまずは調査が必要であるということかと思うんです。
 ご指摘の、いわゆる海峡横断のプロジェクトにつきましても、一例を お話がありましたように、既に四国の三つの橋、全部でき上がっている わけではありませんが、既に相当な金を投入しながら、最初予定したと おりの利用数があるのか、企業採算としてはどうなのかという、そうい うとらえ方を今お話の中でちょっと述べられました。
 結局、つくりました以上は予定どおりの利用頻度があって、そしてい わば経済的にペイするということを検証することは絶対に必要なことだ と私は思います。ただ、それらの地域にとっていうならば、これから我 々の地域のいわば先々について、こういう大きな夢を追っかけながらや っていくというそのことをなしにするわけにはいかぬというぐあいに思 います。
 したがいまして、国土庁が新しい21世紀におきますいろんなプラ ンをグランドデザインとして描く際に、このことを進め方の前提として しっかり検討する必要があるなという、具体的な問題のとらえ方として 整理をいたしました点についてこれから申し上げます。
 こうしたプロジェクト構想の具体化あるいは実施に当たりましては、 まず費用対効果の分析、そしてこれからこういう事業で、すべての事業 で大変大事なのは環境の影響評価、これはやっぱりしっかりとやってい かなきゃならぬ。同時に、だんだん日本の技術はさらに進んでまいって おりますので、その技術を最高度に駆使した場合にコストを縮減する取 り組み、こういうことを大きな重点に置きながら、できるだけ安い経費 で目標が達成されるということについて、絶えず勉強をしながら取り組 んでいかなきゃならぬと思います。
 同時に、こういう事業の財源を一体どういうぐあいにして確保するの かということ。さらに、費用負担の調整も全部国費というわけにもまい りますまい。そういう費用負担を地元でどういうぐあいに受け持つのか 、民間がどういう負担をするのが適当なのか等を含める費用負担の調整。 そして同時に、これだけの経費を投入してもなおかつ我々地元関係者に とっていうならば、多少の費用負担をしょってでもぜひやってほしいと いう、そういうことにつきましての地域住民の合意あるいは協力等をし っかり取りつけなきゃならぬ、そういう面の説明もやっていかなきゃな らぬというぐあいに思います。したがって、これらのことを総合的に検 討していく必要があると考えております。
 以上のような手順を経て、今の厳しい財政事情と、これらの事情が費 用対負担を含めてしっかりとした調査をやった上で事業に着手するとい う手順をやっていかなきゃならぬというぐあいに考えておるところです。
 しかし、多軸型のこれからの日本の経済構造の進め方、国土庁として の国土政策というものは、いろんな議論をした上で今申し上げましたよ うなことを含めて一つの方向づけをしたわけでもありますから、とりわ けこのことに最も大きな関心をおもちの皆さん方にとって、言うならば この壮大な夢を実現に向けてどういう手順で進めていくかということに ついては、一等最後に申し上げましたようなことを含めて対応していた だきたい。国土庁はそういう取り組みについて誤りなきを期していきた いと思いますので、今後とも御協力をお願いいたします。

「知能道路計画」費用はいくら?

〇松村龍二君
 次の質問に入ります。現在、道路交通システムを高度情報化しようと いうことでETC、ノンストップ自動料金収受システム、これは予算に 入っているわけです。確かに高速道路の料金所を止まらないでスッと通 り過ぎ、後で料金の請求が来るといったシステムは時宜にかなったこと で、これぐらいは時代の流れかなという気もいたします。しかし一面、 この料金所で働いている、第二の人生を送っておられる方もたくさんお りますので、この人たちのお仕事を奪うなというふうなことも実感する わけです。
 それから、さらに進みまして、スマートウェイ2001、知能道路計 画というのがありまして、これは道路に何か、私は構造はわかりません が、線を埋め込んでトラックなり運転手は一切ハンドルを切らないで、 またブレーキ、アクセルを踏まないで目的地まですいすいと走っていく ける。そうすると交通事故もないし、30メートル間隔でやってもぶつ からないということで、大変能率的な道路輸送ができるといったいろい ろメリットはあるようです。進歩するのは結構ですが、どれぐらいの費 用がかかるのでしょうか。
〇説明員(荒井正吾君=運輸省)
 今委員がETC、スマートウェイを例にとられまして、いわゆる高速 道路交通システム、ITSの評価をされましたが、一言で言いましてイ ンフラを、ソフトウエアを充実させる、知能化するという観点で自動車 走行を安全に、かつ環境に負荷少なく円滑にやるという観点からは、大 変評価できるものだと考えております。
〇説明員(井上啓一君=建設省)
 今運輸省の方からお答えのように、ITS、スマートウェイにつきま しては、これからの道路につきまして最先端の情報通信技術を活用しま して有料道路の自動料金収受システム、ノンストップ化を図るでありま すとか、ドライバーへの情報提供を図って交通渋滞の解消だとか交通安 全の確保、環境の保全などを実現していこうというものであります。た だ、先生ご指摘のように、すぐに一遍に自動化するというようなことで はなしに、順次ドライバーのミスに起因するような交通事故をなくすと いうようなことから取り組んでまいりたいというふうに思っております。
 また、幾らぐらい費用がかかるのかというお話でございますが、自動 料金収受システムについてはおおむね13年ぐらいまでにやっていこう と思っておりますけれども、2000億円程度必要だというふうに思っ ております。また、スマートウェイ全体についてはこれから順次やって いく話でございますので、今のところ幾らというようなことにはなって おりません。

相次ぐロケット打ち上げ失敗、対策をどうする

〇松村龍二君
 次に、ロケットの問題についてお伺いしたいんですが、わが国の宇宙開 発は欧米に後れて開始されたものの、分野によっては国際的水準の成果を 上げられるようになった。しかし、報道されておりますように、最近、宇 宙開発にかかわる事故が頻発しております。94年には技術試験衛星きく 6号、97年には地球観測プラットフォーム技術衛星「みどり」に故障が 発生し、本年2月にはH2ロケット5号機のトラブルによって搭載していた 通信放送技術衛星「かけはし」の静止軌道投入に失敗しております。
 1回失敗しますと560億円ぐらいの金がパアになるそうですが、このよ うに失敗が引き続いて起こっていることの背景には何か本質的、構造的な 問題があるのではないかと思いますが、対策は取っているのか。
 外国は、私ども昔からテレビのニュースやなんか見ておりましても、ロ ケットというのは飛ばしては落ち、飛ばしては落ち、失敗の連続です。そ ういう中で、日本は失敗なしでずっと成功してきたわけですが、失敗を許 される国と許されない国があって、わが国は失敗が許されない。国際ロケ ット開発等について今後ともこのような巨大プロジェクトを進めていくの かどうか、科学技術庁長官にお伺いします。
〇国務大臣(竹山裕君)
 ただいまのご指摘のとおり、近年、わが国の宇宙開発、具体的な事例で 松村委員ご指摘のとおりありました。一方、向井千秋宇宙飛行士の活躍等 もあるわけでありますが、こうした事故あるいは不具合という表現をして おりますが、この件につきましては大変重く受けとめておるところであり ます。
 そこで、こうした背景にご指摘のとおりの観点から本質的、構造的な問 題が存在するのではないか、問題点を明らかにしていかなければならない ということで、宇宙開発委員会の中に基本問題懇談会という組織を付加い たしまして、今年の7月から議論を開始しているところでありまして、私 自身もこの宇宙開発委員会の委員長を務めております。これまでの委員に 加えまして、国内の宇宙開発あるいは機械工学、生産技術、経営組織まで 広げましたそうした分野の一家言をお持ちの第一人者の方々にお集まりを いただきまして、月1回程度の開催頻度で、宇宙開発についての真の信頼 性回復の管理をしていくにはどうしたらいいかということで検討しており ます。これらの検討を踏まえて、効率的かつ効果的なわが国の宇宙開発利 用が推進できるように努めていくということをここでお約束させていただ きたいわけでございます。
 また一方、宇宙開発のコスト面、確かに長期かつ相当なコストがかかる テーマでもあるわけでございまして、宇宙開発の分野を安定的に進めてい くためには、こうした問題を技術開発の面からしっかりととらえていかな ければならないということで、従来、ご指摘のとおりわが国のロケット打 ち上げは諸外国に比べてコスト高だというご指摘が確かにございました。
 そんな点から、その効率化を図りまして、来年度打ち上げ予定のHUの 次の、今回はH2Aロケットというものにつきましては従来コストの半減 、ほぼ2分の1のコストダウンを図っていきますとこれは大体国際水準に のっとれるかなと、こんなロケット打ち上げのコストダウンに努力もして いるところであります。
 今後、世界的な通信網の構築あるいは国際宇宙ステーション、これはも う既に二つのパートが打ち上げられまして、最近の報道でも宇宙に大体サ ッカーの競技場ぐらいの広さというイメージをお持ちいただければいいわ けでありますが、研究ステーションをそこに常時設置する。これは200 4年に向けての大きな開発事業でございます。
 こうしたものの需要が大きく増加している中でありまして、わが国の技 術力が結集されて、H2ロケットをはじめこうした積極的なコストダウン を含めてわが国宇宙開発が進められていくことが世界の宇宙開発にも大き な意義を持つ。情報収集衛星などというテーマも抱えての現下のわが国の 宇宙開発事業について、今ご指摘のあったようなことをしっかり踏まえな がら着実な歩みを遂げていきたい、こんな思いで進めているところでござ います。

イラク空爆の緊急報告入る

〇委員長(久世公堯君)
 松村委員の質疑中でありますが、この際、イラク情勢について高村外務 大臣から発言を求められておりますので、これを許します。
〇国務大臣(高村正彦君)
 17日午前7時前、日本時間でありますが、米国及び英国の合同軍がイ ラク国内の軍事目標に対する爆撃を実施いたしました。
 イラクのUNSCOM、大量破壊兵器の廃棄に関する特別委員会への協 力再開は不十分であると言わざるを得ず、イラクの対応は九一年の湾岸危 機の際の停戦条件を定めた国連安保理決議六八七を含む一連の関連安保理 決議及び本年2月のアナン国連事務総長とイラク政府との間で合意された 了解覚書に対する重大な違反であります。
 これまで国連安保理及び関係各国は、イラク政府がUNSCOM及び国 際原子力機関、IAEAに対し完全かつ無条件に協力し、関連安保理決議 を完全に履行するよう最大限の外交努力を行ってまいりました。わが国も 、イラク政府に対し申し入れを繰り返し行うとともに、安保理での対応を 含め、関係国と協力しつつイラク側の対応是正を求めるべく努力してまい りました。
 しかし、まことに遺憾ながら、UNSCOMに対するイラクの協力が得 られず、このような事態に立ち至ることとなりました。
 わが国としては、上記のような経緯にかんがみ、今回の米国及び英国に よる行動を支持するものであります。
 わが国は、イラク政府が関連安保理決議上の義務を即時かつ無条件に受 け入れることを強く求めます。これにより、国際社会との関係が正常化さ れ、国際の平和と安全が一日も早く達成されることを改めて強く希望しま す。またあわせて、イラク国民の窮状が速やかに是正されることを強く希 望いたします。
〇委員長(久世公堯君)
 それでは引き続き質疑を続行したいと思います。

情報収集衛星は役に立つのか

〇松村龍二君
 もう一つ大きな問題についてご質問させていただきます。ただいまの イラクへの米軍の爆撃とちょっと関連するような質問にたまたまなった わけでございますが、この8月31日に北朝鮮のテポドン弾道ミサイル が発射されまして、三沢の沖を飛んでいきまして、太平洋に着弾したわ けです。
 このことに関しまして、後藤田正晴さんは、9月26日の朝日新聞に、 要約しますと、「北朝鮮のミサイルが太平洋まで飛んだとの報に、国内 ではマスコミを含めて、足元から鳥が立つように偵察衛星導入論や米国 の戦域ミサイル防衛、TMD構想への参加論が強まったが、議論が少々 軽すぎる。また、本当に必要かどうかの議論をどこまで詰めたのかも疑 問だ。導入すれば、収集した情報を生かすための運用機構もつくらなけ ればならない。どれだけの要員と金が必要になるのか、日本に上空から のぞかれることになるアジア各国の気持ちをどう考えるか、議論が足り ない。TMDについても、防衛庁の説明でも、実戦配備まで10年ない し15年かかり、要撃ミサイルを積むイージス艦は現在の4隻という前 提で最低1兆円の経費を要する。百発百中で撃ち落とせるのかどうかと いった議論が十二分になされていないのではないか。米国はかつてSD I、戦略防衛構想の技術研究を途中で打ち切ったが、このことも教訓と する必要があるだろう。何よりTMDは米国が持つ早期警戒衛星を前提 とする構想である」と、こういうことを後藤田さんが書いておられます 。
 防衛庁長官にお伺いしますが、政府においては情報収集衛星の導入に 取り組む方針を決定したとのことであるが、他方、今回導入する衛星は 災害や危機管理の目的を含む情報収集衛星であると承知している。防衛 庁としては、このような情報収集衛星がわが国の防衛の役に立つと考え ているのかどうか、第一点、伺います。
 それから第二点は、あらゆる政策についてその費用対効果を十分検討の 上、実施するべきものと考える。BMD(弾道弾防御)についても、技 術研究、開発、配備の各段階でその費用を十分検討の上、対応していく べきものと考えるが、防衛庁はBMDに今後どのように取り組もうとし ているのかということをお伺いするわけです。
 ちょっと私もコメントさせていただきますと、アメリカは偵察衛星を飛 ばしまして、イラクの上も見たい、世界中の国の上を見たいわけですね。 日本はどこを見たいかといえば、今話題になっている某国の上にそうい う日本を狙っているようなものがあるか、原子爆弾をつくっている工場 があるかどうか、それだけ確認したいというだけの目的しか軍事的には ないではないか。いろいろ分かったところで、どうこうすることもでき ないわけですから、今言ったことになる。
 それから、BMDもワンセットで1兆円という話でしたが、例えば若狭 の原子力発電所に対して狙うのか、東京を狙うのか、横須賀の米軍基地 を狙うのか、大阪を狙うのか、沖縄を狙うのか、これが分からなければ それぞれ1兆円ずつのセットを準備しなければならないわけです。そん なことをするよりは、先ほどのアメリカがどこかの国にやりましたよう に、現在ある自衛隊の飛行機が自衛のために活動をすればそれで済むこ とではないか。もちろん、憲法体制その他重要な問題はありますけれど も、何兆円もかけるような価値がある話なのかということは、慎重に検 討する必要があると私は思うんですが、防衛庁長官のご所見を伺います。
〇国務大臣(野呂田芳成君)
 専守防衛を旨としているわが国にとっては、各種情報機能の充実とい うことは極めて重大な問題であります。したがって、わが国独自の衛星 から得られる画像情報は、極めて意義のあることだと考えております。
 今般、政府として導入に取り組んでいる情報収集衛星の分解能は、これ は1メーターでありますが、この分解能によれば、弾道ミサイルサイト の探知とかあるいは艦艇や航空機の軍民識別が可能であるとか、また合 成開口レーダーを搭載した衛星も打ち上げられる予定でありますから、 夜間や悪天候の場合もデータの入手が可能である。
 こういうふうに考えてきますと、先ほど、この情報収集衛星がわが国の 防衛に役立つかというご質問に対しましては、防衛庁としては、情報源 の多様化それから独自の情報収集力の確保、こういった観点から今般の 情報収集衛星の画像情報はわが国の防衛にとって極めて重大な意義があ ると考えております。
 二つ目の問題でございますが、防衛庁としては防衛力の整備に際して一 層の効率化、合理化を図るように努めております。極力、経費を抑制す る努力をしているわけですが、その時々の経済情勢や財政事情等も十分 勘案しなきゃいけません。そういうものを勘案しながら、国の他の施策 との調和も図りつつ取り組んでまいったところであります。
 弾道ミサイル防衛については、先般行われた日米安保協議委員会におい て共同技術研究を実施する方向で作業を進めていくということを表明し たわけであります。これを受けまして、10月23日、防衛庁よりこれ までの検討状況を安全保障会議に報告するとともに、日米共同技術研究 の実施に向けた政府部内での調整を開始することを表明し、同日付で大 蔵省に対して11年度に必要な経費を追加要求したところであります。
 現在、日米共同技術研究の実施に向けた政府部内の調整を行っていると ころであり、技術研究の実施等について政府として決定したわけではあ りませんが、ご指摘いただきましたとおり、技術研究の開発、配備の各 段階への移行につき判断を行うに際しましては、費用の点も十分検討し た上で適切に対応してまいりたい、こう考えております。

財政再建どう取り組むのか

〇松村龍二君
 最後に一つ、大蔵大臣に御意見をお伺いしたいことは、第二次世界大戦、 私は昭和13年生まれですからおぼろげながらにしか知りませんけれど も、何で日本軍が負けたんだろうかということについてはいろいろ本を 読んでみました。一つに、やはりいくら日本が勢いがよかったとしても 、東西南北、ロシアとも構え、中国とも構え、東南アジアにも進出し、 また太平洋にも進出してアメリカと事を構えるというふうに、一生懸命 頑張り過ぎますと兵たんも途切れてしまって、しょせんかなわない無理 な戦いであったということが一つの結論として言えるのではないかとい うふうに思います。
 21世紀に入り、また今から若い人たちが育つ中で、日本の国もどこか やはり整理をしませんと財政ももっていかないんではないかというふう に考えてきょう質問させていただいたわけですが、御所見をお伺いしま す。
〇国務大臣(宮澤喜一君)
 わが国の戦後歩いてまいりました道、それから憲法等々を考えまして、 再びわが国が戦争に入る危険というものは、私は国民がみんな決心をして そういうことがあってはならないと考えていると思います。
 今、非常な経済不況で、財政も何とか不況を克服しようと考えておるわ けでございますが、経済不況が克服され財政が正常になりましても、な おわが国が世界をリードするいわゆる創造的な力を持った平和国家とし てまいりますためには、国内にも、また外国に対してもしなければなら ないことがたくさんございますので、そういう意味では、財政そのもの がやはり健全な姿で今後わが国が進むべき内外へのそういう道に貢献す るものでなければならないというふうに考えております。
〇松村龍二君
 ありがとうございました。終わります。