| 外務省改革をどう進めるのか 参議院予算委員会会議録(平成14年3月11日) ○委員長・真鍋賢二君 平成14年度一般会計予算、平成14年度特別会計予算、平成14年度政府関係機関予算、以上3案を一括して議題とし、質疑を行います。松村龍二君。 〇松村龍二君 自民党の松村龍二であります。まず第一に、外務大臣にお伺いします。本日、鈴木宗男衆議院議員に対する証人喚問が行われ、主に外交にかかわる問題について証人喚問が行われたわけですが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います ○外務大臣・川口順子君 外務省といたしましては、改革をきちんとできるだけ早く進めなければいけないということを改めて強く感じた次第でございます。 *基礎ができていない上級幹部―外務省改革どう進めるのか 〇松村龍二君 外務省の改革等については今後いろいろ協議されると思いますので、一点についてだけ触れておきたいと思います。 先般来の予算委員会におきます外務省の局長クラスの答弁を見ておりますと、非常にたどたどしいという感じを受けるわけであります。そこで、外務公務員上級者の試験に合格した人たちの採用又は研修についてどのようにお考えか、あるいは今後ともこういう点について考えていただきたいということをひとつ申し上げたいと思うわけです。 何点か指摘できるのですが、まず第一点は倫理性です。先般、外務上級幹部が自分の車に、携帯電話で最近はやりの方法で呼び出した女子高校生二人を乗せ、自分のわいせつ行為を見せておった。それで検挙された事件があったわけですが、こういうことはほかの省庁の上級公務員にはあり得ないことではないかと思うのです。一つの原因に、やはり若いころから外国へ行き、そういう遊興の癖が付き、ついつい日本でもやったのかと、まず倫理性について御指摘します。 それから、今申しましたように非常に詰めが甘い。外務省の上級幹部は採用になりますと、初めの二、三年はその任地の大学へ行って語学を勉強しておけということで、ひもから外された風船のように、公務員としての一番大切な下積みのときに基礎訓練ができていないという研修の仕方に問題がある。 それから、外務省の仕事というのは人の仕事の橋渡しが多い。経済、財政の問題であれ、農業の問題であれ、通商の問題であれ、本来は他人の仕事について交渉している。したがって、どこまで詰めていいか分からない。問い合わせがあったらその省庁に聞くというふうなことで、今回の例の支援委員会の調査を見ましても、何か責任感がない、自分の仕事としてやる責任感がない。 よその省庁ですと、国会答弁の準備等で午前四時、五時まで起きているということはしょっちゅうあるのですが、外務省では人ごとの仕事だからほどほど腰だめで、二時になったからもう眠い、やめておこう、あとはまた分からなかったら部下に聞けばいいや、こういう癖がついているので無責任なのではないかというふうに思います。 また、採用についても、語学、特別の職員だということで外務省に試験が任されておるという部分がちょっと多いと思うんです。それで、どうも厳格さを欠いているのではないかというふうな感じがするわけです。そういう点についても今後ひとつじっくり検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○外務大臣・川口順子君 外務省あるいは外務省の職員につきまして、今非常に厳しい御指摘をいただきました。 まず、国会答弁で様々な不行き届きがございまして御迷惑をお掛けしていることにつきまして、非常に申し訳ないと思っています。 それから、御指摘いただいた外務省あるいは外務省の職員の様々な性格について、これは外務省もいろいろな人間がいますので、全員に今おっしゃった方が全部当てはまるということでもないと思いますけれども、例えば、必ずしも組織として動くということが、私が知っているほかの省庁と比べると、少しそういう部分が少ないのではないかとか幾つか私も感ずることございますが、一部外交に携わるという仕事の特質からくる違った訓練の在り方が影響しているところもあるのかもしれないというふうに思います 試験につきましては、今度、普通の国家公務員試験で採用いたしまして、平成14年度に入省する人間からは国家公務員の試験、ほかの省庁と同じ試験を受けて入ってきた者が採用されるということになっております。今まで外務省が外交官試験をやってきたということについては、例えば言葉の点ですとか、いろいろな点でそういう必要性があったということで外務省はやってきたんだろうと思いますけれども、他方で、非常に優秀な人材を大きなプールの中からよその省庁と競争して採っていくということについて、そういうことでなかったということも問題としてはあったのかもしれないと思います。 いずれにいたしましても、研修その他の面で、あるいは人の教育の面で、「変える会」でこれから御議論をいただいて、その結論を待つことなく、できることからやっていこうということで五十ぐらいのポストの公募制というのも発表いたしまして、夏ぐらいまでに、夏の異動でそれをやろうと思っておりますし、できることはやりたいと思っております。 研修につきましても、今本省で、海外に言葉の研修で出掛ける前に本省で仕事をするということもやっておりまして、その期間も少し長くしていこうということで考えていますので、これは本当に改革を一生懸命にやって、日本の国民の方にこういうふうに外務省が変わりましたということで見ていただくというのが、またそれしかないというふうに考えております。 〇松村龍二君 私も別に上級幹部をかばう気持ちは全くないのですが、上級幹部である以上はやっぱり仕事がよくできる、あるいは識見、見識がしっかりしている、あるいはノーブレスオブリージュといいますか、国家というようなものに対する責任感、あるいは自分の仕事に対する責任感というのがしっかりしていなければならないと思うんです。それがないのなら上級職制度はやめにして、中級の方、ほかの各級制度で登用された方をどんどん上の方にまで上げた方がいい、あるいは民間から上げた方がいい、こういうことになろうかと思います。国民はそれぐらい外務省の幹部に対して怒っておるということを申し上げて、今後の検討をお願いしたいと思います。 *株の「空売り規制」とはどういうことか 次に、現在、国民は景気がどうなるかといったことに一番気持ちを寄せております。 私の地元でも、大変に景気が悪いと聞きます。また具体的に聞いていきますと、例えば床屋さん一つ取っても、最近の若い人がパーマネントをかけるようになったとか、そういう流行の変化とかあるいは理髪業が増えたということを抜きにしても、今まで三十日に一回来ていた方が四十五日間に一回来るというふうに、人々の経済活動が弱っている。それがまさにデフレスパイラルということになっているのではないかと思います。 先般、株価が9500円ぐらいまで下がりまして、どこまで下がるかなと、三月で金融機関もつのかなと心配しておりましたら、ブッシュ大統領が来られる前後にデフレ対策を打たれて、空売り規制というのに本格的に取り組みましたところ、たちまち1万2000円近くまで戻したというふうに承知しておるわけですが、この空売り規制というのは一体どういうものでどういう対策をされてこのようなことになったのか、御説明いただきたいと思います。 ○金融担当大臣・柳澤伯夫君 いきさつ的なことを申しますと、証券監視委員会もそうですし、我が方のこの検査の証券関係の当局もそうなんですけれども、できるだけローテーションをしげく取って、証券会社の検査あるいは監視に入るということを当然のことでやっているわけでございます。そういう中で、どうも空売りについて法令に反するようなことがあるということで、これは看過できないということで一方において処分もさせていただいたということがきっかけになりました。 空売りについて、これはやはりいろんなことを考えると放置できないので、その処分は処分、処分の元になった現行のレギュレーションというものはレギュレーションとして、よりしっかりしたレギュレーションということも考えなきゃいけないということで検討をいたしたわけでございます。 そもそも空売りとは何ぞやということですが、要するに株を売るのですが、その株は自分の所有のものではない、人から借りてくるということでございます。その借り先は機関投資家ということが一つあります。 もう一方は、証券金融会社というのが日本に昔からございます。一般投資家という人たちは借りてくる先がないものですから、証券金融会社を作って、そこからは借りられますよということでスタートをしたものですが、最近では機関投資家もこの証券金融会社から借りてくるようになっている。こちらの方はある種の制度金融ということになっていまして、現物も貸すわけですけれども、制度的に貸す。申し込めば貸してくれるということなものですから、信用の世界ということになって、そこで借りたものを売る場合には信用売りというふうになるわけでございます。 いずれにしても、借りた株を売るということでは空売りという、人のものを売っているということで、後からそれを市場から買い戻して返さなきゃいけないという義務を負うわけですけれども、その借りてくる先で、今言ったように空売りというものと信用売りというものが二つあると、こういうことでございます。 今回私どもがやったのは、信用売りの世界で抜けていたところの穴をふさぐということでして、一つは明示義務というのがあるわけです。これは空売りですよというようなことで、それがどんどん増えているということになると一般投資家はやっぱりちょっと注意をしなきゃいけないなということになるという意味で、明示をさせる、俗な言葉で言うと旗立てさせると言うんですけれども、旗を立てさせるという義務を空売りは負っているわけですけれども、これを信用売りの方もそのようにした方がいいだろうということで、そういうような言わば明示をさせる。あるいは、この銘柄については非常に空売りが増嵩していますよ、かさがのしていますよというようなことを指定して、それを公表するというようなことをやって一般投資家に注意を呼び掛けるというようなこともそうなんですが、そういうことを一つやるということがございます。 それからもう一つは、この信用売りの方で、株を借りるときに非常にコストが安いという問題がありまして、これはやっぱり人からものを借りる場合には、そうきちっとしたコストの計算の下で、その言わばサービスに対する料金を払うということが正しいだろうということになりまして、今まだ検討中の部分もありますけれども、基本的に借り株による株の調達コストを本来の適切なレベルにしていこうと、こういうことを信用売りの世界ではやらせていただいたということが一つの側のテーマであったわけです。 もう一つ、空売りの側、本当の意味の空売りの側で一つ穴をふさがせていただきました。空売りあるいは信用売りそのものはちっとも悪いことじゃないんですが、作為的な相場形成というものにこれが用いられがちだという欠点もございまして、いかにそういう作為的な行為をふさいでいくかということが非常に大きなポイントになるわけです。そういう観点から、今度は空売りの値付けの部分について従来よりもそういったことができにくくする。 これは、直近の相場と同じ値段だったらいいということが従来のルールであったわけですけれども、それを放置していた結果、正に作為的な相場形成にそのことが悪用されたという事犯が今回の検査で見付かったというようなこともあって、そこのところはやっぱり直近の相場よりはむしろ高い相場でなければ空売りの売り付けはできないと、これはアメリカのルールと同じなんですけれども、そういうことにして、今言ったように、空売りによる作為的相場形成に結び付く可能性というものを減殺すると、こういう観点からの何というか、制度の改正を行わせていただいた、こういうことでございます。 〇松村龍二君 空売りの内容については御説明いただいたわけですが、ただ今回、この空売りがだれによってなされたかというと、外国人によってなされたと。日本の経済が、株がどんどんどんどん下がっていくことをいいことに、下がっていくことでもうけようというような外国資本がこれをやっていたんではないかという指摘があるわけですね。それは外国の証券会社を通じて、正にヘッジファンド、ジョージ・ソロスが有名ですけれども、巨額の金を持っているアメリカを中心とするそういうヘッジファンドが巨額の金で日本の株が下がるのを食い物にしておったということではないかと思うんですが、そのように理解していいですか。 ○金融担当大臣・柳澤伯夫君 ヘッジファンドの世界というのは正にプロフェッショナルな世界でして、私も物の本でヘッジファンドとは何かというようなことを勉強をするだけでございます。 しかし、ヘッジファンドというのは、要するに買い持ち、売り持ちというか、ロングポジションとショートポジションを非常に巧妙にこれを操作することによってヘッジもするし、それから利益も上げると、こういうようなことであるようです。 ですから、ロングポジション、つまり自分が本当にその所有権を持って所有をするということをやる限りは、片方でそれをヘッジするためにはショートポジションを取る、つまり空売りをするということは彼らにとってはある種生理みたいなものでございまして、これは相場操縦をやらない限りそれを認めるということになると思うんですけれども、要するに今回のことでそういうことがなかったかあったか、これは私もちょっとそこまで詳細に申し上げる立場にないと思うんですが、市場ではそういうこともあったんではないかと、こう言われておるということです。 ただし、今日の相場がただ空売り規制をやったからこういう相場になったというほどにこれが影響を持っているとは私どもは認識していないということでございます。 〇松村龍二君 ただ、空売り規制を行ってこの二週間ほどの間に株がたちまち上がったということは、一般的な政策が功を奏したと見るよりはその空売り規制が功を奏したというふうに私は理解したいというふうに思っております。金融担当大臣から、ほれ見ろ、これでうまくいったとは、空売り規制だけが功を奏したとは言えない立場であるということはよく分かりますけれども。 *日本経済はいつまで“すすり泣く”のか そこで次、経済産業大臣にお伺いしたいわけですが、小泉改革が、総理大臣自身の口からは、昨年来、特殊法人の民営化、あるいは道路、高速道路、これについて見直しをスタートした、あるいは先般の保険のシステムについてしっかりした対応を示した。その他この他、改革の方向が良かったからこういうふうに今手堅く経済はいい方へ向かっておるというふうにおっしゃいますし、その効果は大きいと思います。 しかし私、先般来、週刊誌をちょっと見ておりましたら、これは二月十八日のタイムという週刊誌の表紙ですけれども、ジャパンズ・ソブ・ストーリーと書いてあるんですね。(資料を示す)ソブというのはすすり泣くという意味だそうです。何か大声で泣くのがクライ、それから涙を出すのがウイープ、それからソブがむせび泣くとかすすり泣くと、こういう意味だそうです。それで、日本は、御承知のとおり、財政の、財政再建の問題、あるいは失業の問題、いろんな観点、地方自治体も疲弊しておるというようなこと等で、どうも日本の将来を考えるときに日本は今ソブしておると、こういう記事です。 それから、これまたえらいどぎついんですけれども、今週街頭に販売しておりますニューズウイークという皆さん御承知の雑誌の日本語版です。(資料を示す)これは最近号ですから、3月13日号ですね。ここでは『「国家倒産」で日本はここまで悪くなる 日本経済衰弱死のシナリオ』というような見出しで、死に神がかまを持って日本列島の上を歩いておると、そして火の玉になっておるものが一万円札という、もう一回ごらんになりますと、こういう週刊誌の表紙です。 それで、記事の内容については触れませんけれども、経済産業大臣、経済、総理府等で、いや、内閣府で出す書類では、十年後の日本は美しい国になると、改革を進めればですよ、というようなものが、出版物が、「変わる日本 この一歩から」ということで、十年後には明るい未来が訪れるということが書いてあるんですが、このアメリカの週刊誌の記事と余りに違うんじゃないかなと。 株は上がったけれども、日本のファンダメンタルな点にいろいろ、不良債権の話をはじめとして、失業も増える、いろんな問題から先行きが大変厳しいというふうなことを書いておる。 一面から考えれば、先ほど申しましたように、日本は先行き下がるぞ、下がるぞと言って株を下げておいてもうけようというヘッジファンドと組んでこういう週刊誌の表紙を、記事を作っているんじゃないかなというふうにも思えるわけですけれども、あるいは、必ずしもそうではない、日本の将来は厳しい、そして日本政府はじめ日本国民が危機感がないということが指摘されるわけであります。その辺についての御所見を承りたいと思います。 ○経済財政政策担当大臣・竹中平蔵君 いわゆる改革と展望について、その週刊誌等で書かれているようなこととどのように折り合いを付けて経済を活性化させていけるのかというような御趣旨だと存じます。 御指摘のように、改革と展望の中では今後五年ないし十年の中期的な展望をさせていただきました。そして、構造改革を行って生産性を引き上げて資源の効率的な配分を実現することによって日本の経済は二%程度の自律的な成長軌道に戻れるし、その中できちっとした財政運営を行うことによって財政も破綻しないと、そういう運営が可能だというシステムを、姿を書かせていただきました。 その中で、実は、人を大切にする国、人が誇りを持って生きられる国、そういう一つのビジョンを描かせていただいております。問題は、そのシナリオといいますか、骨太のスケルトンの部分をどのように肉付けしていって、いわゆるその週刊誌に書かれているような空洞化を排除していることができるかと。その肉付けの部分に関しても今、経済財政諮問会議で経済産業活性化戦略ないしは税制改革ということで議論をさせていただいております。 私自身は、その週刊誌に書いてあるようなことではなくて、我々の改革と展望で示したような健全な自律的な成長回復、成長軌道に復帰させるということが構造改革によってこれは可能であるというふうに考えておりますし、是非そのような形に持っていきたいというふうに思っております。 〇松村龍二君 同じこの今週号のニューズウイークに、ピーター・タスカという、日本の証券会社に、日本にあります証券会社に勤めておりまして「不機嫌な時代」、「日本の時代は終わったか」というような著書のある方ですが、「宗男・ザ・ブッチャーの政治学」、「田中真紀子と鈴木宗男のバトルで政治の「ショー化」が一段と進んだ だがショーに夢中で、経済の現実を直視しない日本の未来は暗い」と、こういうサブタイトルで、私も今、問題になっております鈴木宗男さんのああいう解析が無意味であるというふうには決して思っておりません。おりませんけれども、やはりそのようなことで政治が表向き没頭している間に日本の経済が大変に厳しい方向へ下っておるというふうなことをこの記事は書いているわけですけれども、そのようなことでは困るというふうに認識しますので、竹中大臣も公的資金の注入とかあるいは税制の思い切った改革とか非常に意欲的な方向を示しておられますので、是非、財務大臣、経済関係大臣共々、皆さん、日本の将来について明るい展望が開けますようお願いしたいと思います。 *繊維産業の空洞化にどう対応するのか 次、経済担当大臣にお伺いします。私ども北陸なのですが、財政の公共事業の一〇%カットとか、あるいはもう民間の需要が起きないということからするその部門の不景気、あるいは、繊維が中心のところでありますので、製造が中国に移り空洞化していることで非常に悩んでおります。 この中国との空洞化につきまして、経済産業大臣、どのような対応をお考えか、また、特に北陸の産地につきましてどのようなお考えをし、また実行しておられるか、お聞かせいただきたいと思います。 ○経済産業大臣・平沼赳夫君 最近、内外の賃金の価格差等で、主に中国等へ日本の企業が移転をする、これが非常に顕著になっておりまして、ここ五か年間の数字を見ましても三割増えておると、こういうことであります。やはりこれが非常に、まじめに業をしておられるそういう生産者の方々に大変厳しい、特に下請関連、特に厳しい状況に相なっております。 そこで、経済産業省といたしましては、この空洞化に対しては、やはり一つは、高コスト構造を是正するような思い切った対策をきめ細かく講じていくことが必要であろう。それから、やはり1973年のあのオイルショックのときに第一次の空洞化が起こりましたけれども、そのとき日本はイノベーションによって見事にその空洞化を食い止めたという実績を持っています。したがって、日本はまだ産業技術ポテンシャリティーがございますから、そういう高付加価値のものを作り、いわゆるイノベーションを起こすということが大事だと思っています。 そういう中で、我々としては、昨年の11月に産業競争力戦略会議というのを設けまして、そこで実は今、一生懸命対策をしているところでありまして、一つは、何といっても、こういう障害になっている規制を取り払って、企業本来自らが力を発揮できる状況を作ること。 それから、今触れましたように、高コスト構造を是正するような方策を取っていく。 地域の産業を活性化するためには、これは今緒に就いたばかりでありますけれども、産業クラスター計画というのをやっておりまして、今、全国19か所で150の大学が参画をして3000の企業が入っていただいています。そして、産学官の連携の中で、いわゆるこの蓄積されたそういう技術ポテンシャルを地域の産業に応じて開花をさせていこうと。今3000社ですけれども、これをどんどん増やしていくことも必要だろう。 それから同時に、今やはりこのデフレを克服して、そしてそれぞれ頑張っておられる中小企業の皆様方がそれを克服するには、やる気があって潜在力のある中小企業の隅々にまで資金が行き渡ることが必要だ。そういう中で、金融機関の貸し渋り、貸しはがしというような問題がありますので、第一次補正予算で1400億円の手当てをさせていただきまして、セーフティーネット貸付けあるいはセーフティーネット保証、これを構築をさせていただいて、きめ細かく対応していこうと。 さらには、昨年秋の臨時国会で、売掛金債権に着目をして、そういった面で国が保証してさしあげて、そしてその企業が資金の調達が円滑に行われるように、そういう対策も講じていこう。 そういう形と、もう一つは、やはりそういう企業の活力を増すという、それから雇用を吸収するというためには新しい産業、企業を起こしていく必要がある。これも昨年の秋の臨時国会で皆様方の御賛同をいただいて法案ができましたけれども、新しい企業を、今、年間18万社にしかすぎないんですけれども、これを倍増していこう、そのための開業資金を積極的に活用していただいて伸ばしていこう、こういうことでございます。 確かに、お地元の北陸は繊維の中心のそういう産業がございまして、繊維産業の生産拠点の海外移転というのも非常に加速しておりまして、繊維中小企業の経営に大変な影響を与えることは我々としても深刻に受け止めているところであります。 そこで、中小企業グループ等が行う新商品開発、販路開拓事業等を応援するために、地場産業活性化補助金を従来用意してまいりましたけれども、今回、平成13年度の予算の中で繊維中小企業のための特別対策枠を初めて設けさしていただきました。そして、これが、14年度予算が無事成立をいたしますと、お地元の北陸をはじめとする各産地においてこの特別枠を有効に使っていただこうと、こういうふうに思っています。 また、国と県との共同負担により、福井県を始め全国15か所に繊維産地活性化基金というのを設けまして、繊維産地における新商品開発、販路開拓事業等を支援してまいりました。そして、不透明な商慣行の是正ですとかアジアの海外消費市場への展開の支援をさしていただき、物作りと消費者のニーズ双方に目配りできる人材の育成、繊維産地の競争力を強化する対策はこれからも引き続き行っていこうと思っています。 また、繊維の業界からの御要望も踏まえまして、加工再輸入減税制度の拡充を図る、その関税暫定措置法の改正も今国会で御審議をいただいているところでございまして、これによりまして我が国の生産と原材料に対する需要が増大する、こういうことも期待しておりまして、いずれにしましても、若い後継者の方々も一生懸命頑張っていただいていますので、そういった方々の意欲を失わないようにきめ細かい対策をやらしていただきたい、このように思っています。 〇松村龍二君 どうもありがとうございます。今、中国が非常な勢いで伸びておる。戦っても駄目ではないかというぐらいの勢いであるということは私も認めるわけでありますけれども、しかし世の中のことはもう最大限粘って粘って頑張らないといかぬ。中国においても、今、農業の問題あるいは貧富の格差の問題、いろいろな問題も指摘されておるわけであります。中国がダウンしたらいいという意味ではありませんけれども、やはり可能な限り可能性を信じて粘る必要があると思います。 *委託加工減税制度の対象に「ニット製衣類」も そういう意味におきまして、今、経済産業大臣最後におっしゃいました委託加工減税制度の拡充ですね、これにつきまして、制度を所管する財務省、どのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。 ○財務省関税局長・田村義雄君 加工再輸入減税制度についてでございますが、これは、我が国から輸出されました原材料、これを用いまして加工、組立てがなされました製品が再輸入される場合に原材料相当分の関税を軽減するという制度でございまして、国際分業の進展、あるいは我が国への製品輸入拡大及び我が国からの原材料輸出促進の意義を有するものであると考えておりまして、今回、本国会で御審議いただいております14年度関税改正に係る法律案におきまして、本制度の対象にニット製衣類を追加することとしておりまして、国際競争力を有します本邦の生地の輸出促進等を通じまして国内繊維産業の活性化にもつながるのではないかと、かように考えております。 *産地表示の不正―JAS法の課題だ 〇松村龍二君 大変前向きな御検討をいただきまして、ありがとうございます。 次に、農林水産省にお伺いするんですが、狂牛病の問題については与野党を問わずいろいろ御指摘されておるところであります。そこで、農林水産副大臣にお伺いするわけですが、JAS制度がせっかく改正になりまして生産地その他を表示するようになったと、大変前進して世界並みのことをやるようになったなと思っておりましたら、今回のように商売人がそれを無視して、農協まで外国産の鶏を九州のある産地の鶏だと言って売るような仕組みになっておったということは、制度がおかしいんじゃないかなというふうに思います。法律だけ作って監視するシステムを伴っていない。日本人は善であるという性善説に立っているだけでは、1億2000万人の巨大な経済が動いている中で対応できないということは自明の理ではないかと思います。 そこで、私、過去に一度調べたことありますが、金融監督庁でも日本は500人しかいないのにアメリカは6400人いるとか、公正取引委員会も日本では200人ぐらいしかいないでやっておるとか、原子力のチェックにしても日本は数百人だけれどもあちらでは何千人とかいうようなことで、また、私もちょっと自分で経験あるんですが、ココムの体制、チェック、対共産圏の禁輸、輸出、武器関係の禁輸品のチェックでも、日本では通産省にそのころ2人か3人しか担当者がいなかったのですが、アメリカでは800人の係が常時チェックしておるということを昔聞いたことがあります。 そういう意味において、JAS法の今後の課題についてお答えいただきたいと思います。 ○農林水産副大臣・野間赳君 食品の原産地を偽る虚偽表示を行いますことは消費者の食品に対する信頼を著しく損なう悪質な行為であり、極めて遺憾であると思っております。 このようなことが起こっておりますのは、監視体制など今までの食品表示の運営などにも反省すべき点があったためであると認識をいたしております。 このため、農林水産省におきましては、食に関する消費者の信頼確保を図る観点から、2月8日、大臣を総括本部長といたしまして、私が本部長に相なりまして、食品表示制度対策本部を設置をいたしまして、省を挙げて全力で取り組んでおるところであります。 今後、食品表示110番や食肉の表示実態調査に加えまして、平成14年度から新たに食品表示ウオッチャーによる表示モニタリングを行うことによりまして食品表示の監視体制を強化しますとともに、表示の実効性と信頼性が確保されるよう、JAS法の改正も視野に入れまして、消費者保護を第一に、消費者サイドに軸足を置いた農林水産行政を展開する観点から、制度の見直しとその改善強化を図ってまいりたいと考えております。 〇松村龍二君 今回のBSE騒動で、畜産業者あるいは肉に関係するお店に至るまで大変な打撃を受けておるというふうに伺うんですが、私は、肉が、一定部分が危険だ、脳と延髄だけが危険であるということであれば、それ以外の肉については、やはり大局的な目でこれを消費することについて日本人が皆自覚する必要があると思います。 十年後、さっきも申しましたように、日本の、外貨もなくなって外国から食料品を買おうと思うけれども金がないという十年後に、ああ、あのときに何であんな、肉を捨てて焼いてもったいないことをしたなということになってはつまらぬわけでありまして、その辺の食肉の、国会議員が1キロずつ肉を買ったらどうかと先日地元へ行ったら言われましたけれども、牛肉の消費拡大運動について御決意をお伺いします。 ○農林水産副大臣・野間赳君 現在、落ち込んでおります牛肉の消費の回復がBSE対策の最も重要な課題であるとの認識の下で、これまでもBSEに関する正確な科学的な情報を国民にきちんと伝えるための活動、テレビやラジオを利用したPRやシンポジウムの開催等を行いまして積極的に消費拡大に取り組んでおるところであります。 具体的には、消費者が専門家と一緒に生産者、BSE検査所、食肉小売店等を見学をしたり、BSEにつきましての理解を深める活動を現在実施をしておるところであります。また、3月中旬を目途にいたしまして、お母さんのBSE安心レポートといたしましてBSE検査体制等の情報を全地方新聞47紙に掲載をいたす予定であります。 このような消費拡大のための取組を通じまして国民全体から牛肉消費に対する強い支持が得られるよう、国民的なキャンペーンなど、最大限努力を尽くしてまいりたいと考えております。 *兼業農家の育成策も大事だ 〇松村龍二君 生産者に向けてこういうことを努力しているということでなしに、具体的に消費が伸びるような御工夫をいただきたいと思います。 もう一点、農業問題について大事なことを大臣にお伺いしたいんですが、このたびの施政方針演説の中で、「農林水産業の構造改革」、「高度な技術、経営戦略を有した活力ある農業経営体を早急に育成」、「意欲と能力のある経営体に対し、経営の規模拡大や法人化の推進などの施策を集中」といった文言があったわけでございます。 しかし、私どもの地元を見ますと、1町歩足らずの農地を一生懸命、たとえ米をやっても1年間に30万円ぐらいしか、たった30万円しか現金収入がないという中で、非常にまじめに国民の米、食糧を生産しておるということでありまして、兼業農家を余り軽く見ると十年後にほぞをかむという大変なことになるんじゃないかなと私は考えておるわけであります。 大臣のひとつお考え、専業とする農家を育てるということと同時に、地域の集落営農等も十分に加味して、兼業農家が日本の食糧生産にいそしめるといった体制についても十二分に考慮いただきたいということでございますが、いかがでしょうか。 ○農林水産大臣・武部勤君 農業の持続的発展とかあるいは食糧の自給率の向上を図るためには、まず私は、第一に、国際競争力のあるしっかりした経営体というものを育てなきゃならないということと、消費者のニーズは那辺にあるかという視点に立った農政の転換が必要だと、こう思っております。同時に、農業の構造改革を強力に推進しまして、効率的で安定的な農業経営あるいは農業生産の相当部分を担う農業構造を実現することが重要であると、このように考えているわけであります。 そのためには、意欲と能力のある育成すべき農業経営体に対して、農地の集積利用でありますとか、あるいは低利融資の問題でありますとか技術支援でありますとか、あるいは経営管理能力を支援する、育成するというようなことに集中的、重点的にやらなくちゃいけないと、このように思っております。 しかし、今、委員も御指摘のように、それだけじゃありませんで、これから集落営農でありますとか法人化でありますとか、こういったことを進めて望ましい経営体をどう作っていくか、これに兼業農家、零細農家を組み合わせて、地域の資源を守り育てていく、あるいは健康で生きがい型の、健康生きがい型の農業を求めている人たちもたくさんおりますので、農業や農村において、私は、兼業農家や零細農家の皆さん方の活躍の機会や貢献する場というものは増えてくると、このように考えておりまして、そういった施策を充実してまいりたいと。私は北海道出身だから大きい農家ばかり目当てにしているわけじゃありませんで、そういったことも真剣に考えてまいりたいと、このように思っているわけでございます。 *五輪選手の強化にどう取り組むのか 〇松村龍二君 時間も限られているわけですが、先般、アメリカでソルトレークでオリンピックがありましたが、その成績について、文部科学大臣、どのようにお考えで、今後二年後にまたオリンピックが来ますけれども、最近、民間会社も参画しないようになって、厳しい状況の中で選手、頑張っていると思うんですが、オリンピックについての決意をお伺いしたいと思います。 ○文部科学大臣・遠山敦子君 ソルトレークシティーでの冬季のオリンピック大会につきましては、結果は銀と銅のメダル1つずつということでございましたけれども、入賞者はある程度ございまして、私は、大変過酷な、過酷なと言うのはちょっと語弊ございますけれども、厳しい状況の中で選手たちは大変頑張ってくれたと思っております。 ただ、前回の長野の大会に比べますと、余りにも成績の面では残念なことがございました。これにはいろんな理由があると思います。関係者がその理由をきちんと分析した上で、これからやはりオリンピックは国民に大変希望を与えますし、あるいは国民の期待にこたえていくということは大変大事でございますので、そういう角度から、きちんとその原因も究明した上で、選手強化、さらにはいろんな面での条件整備が必要であればやってまいりたいと思っております。 幸いに、もう少し科学的な角度から選手の能力を高めようということを助けるために、そういうことが実施できるセンターも最近できました。そのようなものを活用したりして、私どもとしましては、オリンピックも大変大事な行事でございますので、今後、日本の選手の強化に向けて頑張ってまいりたいと思っております。 *誇りを失った日本人―教育に欠陥がある 〇松村龍二君 時間がなくなったので、あと一問だけにさせていただきたいと思いますが、昨今の日本のいろいろな状況を見ますと、外務省だけでなくて、今回の雪印を始め何か日本人全体が誇りを忘れて何か締まりがないと。欧米からも、あるいは東南アジア、アジアの国からも、中国等からも韓国からもなめられてしまうという原因にやはり教育の、戦後の教育の欠陥があるんでないかなというふうに思います。 教育基本法の第一条が平和と民主主義といった高い理念を持っていることは事実でありますけれども、日本人の誇り、伝統、こういうものをしっかりこの辺で、もうあるいは手後れかも分かりませんけれども、やはりここで小泉改革の目玉としても教育基本法についても前向きに取り組んでいただいて、国民の誇りとか伝統、こういうものをしっかり教え込むような教育をしていただきたいと思いますが、いかがでしょう。 ○文部科学大臣・遠山敦子君 教育基本法は制定以来約半世紀を経過いたしまして、その間、大きく社会が変化いたしておりますし、教育全般に様々な問題が生じているところでありまして、今日、教育の在り方が鋭く問われているところでございます。21世紀を迎えた今日、新しい時代の教育の基本像を明らかにして、その確実な実現を図ることが求められているわけでございます。このような状況を踏まえまして、御存じのように、昨年11月、中央教育審議会に教育基本法の在り方について問う諮問を行ったところでございます。 教育基本法の見直しに当たりましては、現在の教育基本法にあります個人の尊厳とか、あるいは真理と平和の希求といった普遍的な理念は大切にしながら、特に今御指摘のように新しい時代を生きる日本人の育成という観点、そして伝統文化など、次代に継承すべきものの尊重という観点から現行法に不足しているものは何かなどについて幅広く検討を行う必要があると考えております。 中央教育審議会におきましてはこれまで大変熱心な議論が続いておりまして、私どもといたしましては、その見直しの中に教育理念を実現する手段としての教育振興基本計画についても併せて検討していただくことも重要であると考えているところでございますが、今後、中央教育審議会における審議を中心といたしまして、国民的な議論を深めて、教育基本法の見直しについてしっかり取り組んでまいりたいと考えております。 〇松村龍二君 最後に、教育の問題とも関連しますが、駅頭で売られている週刊誌等のグラビアページに女性の裸が載っておる。男女共同参画社会で非常に女性を侮辱した話だと思います。外国から来た人は、日本人は一体どうなっているんだというふうに思うと思いますし、そういう意味におきまして、今、自民党でも議員立法するとか考えているようですけれども、そのようなことにつきましても、やはり国民が自覚する必要があるということを訴えまして、私の質疑を終わります。 |