「委員会議事録」

道路関係4公団は真にメリットのある民営化を!
参議院内閣委員会会議録(平成14年5月21日)


○委員長・佐藤泰介君
 道路関係4公団民営化推進委員会設置法案を議題といたします。
質疑のある方は順次御発言願います。



〇松村龍二君
おはようございます。いよいよ、この道路関係4公団民営化推進委員会設置法案、非常に題名は長い、法案は八条という非常に短いものの法案の審議が始まるわけであります。
 小泉内閣が昨年4月に登場いたしまして、改革なくして成長なし、いろいろな問題に根本からメスを入れようということで頑張っておられるわけであります。しかし、景気が大変に悪い中におきます構造改革ということで、いろいろな困難を伴っておるということも事実であろうかと思います。
 本日、衆議院では郵政公社化法案始め4法案の審議が本会議で始まるということで、小泉内閣、総理といたしまして一番重点を置いておられる郵政公社化法案の審議が始まる、また、参議院におきましても今こうしてこの法案の審議が始まるということかと思います。
 そこで、まず、この法案を審議するに当たりまして石原大臣のお考えをお聞かせいただきたいのですが、その前に、先週、全国のトラック協会、全日本トラック協会というところの全国総決起大会がありました。日比谷公会堂で二千数百人の方が集まって経営危機突破全国総決起大会というのがあったわけです。
 私も、このような問題についても深い関心を持っており、出席いたしましたところ、今、非常に景気が悪い、この10年の間に業者が規制緩和等もあって3割増えた、貨物の量はむしろちょっとマイナスであるということで、荷主からの割引要求というのが非常に厳しくて経営は四苦八苦である、そしてまた、デフレの中で荷が減っておる。そういう中で、軽油引取税を撤廃をしてほしい、自動車関係税制の簡素化、軽減をお願いしたい、それから、ディーゼル車とか、環境対策ということで、非常にいろいろな負担が業界に押し付けられる、これらに対する助成措置をお願いしたいというような要望でありましたけれども、その中の一番の目玉といたしまして高速道路通行料金の大幅値下げをやってほしいというのが、軽油引取税の問題と並んで二大要求でありました。高速料金が払えないので一般道を走らざるを得ないという説明もあったわけです。
 高速料金は民営化によって果たして安くなるのだろうかといった考えも持つわけですが、まず、この法案の審議を始めるに当たりまして、石原大臣からこの法案についての意気込みとか考えをお話しいただきたいと思います。

○行政改革担当大臣・石原伸晃君
 ただいま松村委員が、全ト協の決起大会で、高速道路のかなり大きなユーザーであります方々がやはり高速道路の料金の高さということに言及されたというお話がございました。
 私も1ユーザーといたしまして、やはり日本の高速道路料金というものは他の諸物価に比べても割高ではないか、特に東京に暮らす者といたしましては、首都高速道路の慢性的な環状線の渋滞、あるいはその前取り方式による700円という料金の高さ、こういうものに多くの方々が不満を持っているということはトラック業界に限らずあるのではないかと認識しております。
 民営化を図ることによりまして、コストを重視した経営というものに配慮をされる、また、利用者あっての民間企業でございますので、利用者へのサービス向上ということをこれまで以上に図っていくことになる、そういうような観点から、これまで公団方式で運営をされてまいりました日本の高速道路というものに、新しい時代、利用者の視点に立った、より一層立った経営というものを民営化によって四公団に行っていただきたい、そういう思いを持ちましてこの民営化の推進を図るための本法律案を当委員会に御審議をお願いしているわけでございます。
 一日も早い、委員会での審議の中で、充実した審議の後に法案を御成立いただきまして、改革意欲に富んだ委員の方々が21世紀の高速道路の在り方について、採算性を重視して、これまでよりもより国民の視点に立った経営の行える体制というものを編み出していただくよう期待をするところでございます。


*有料道路制度が果たした役割をどう認識しているのか

〇松村龍二君
戦後、政府の要請で米国から来日いたしまして、神戸―名古屋高速道路計画の経済的、技術的妥当性に関し調査をしたR・J・ワトキンス調査団の報告書、昭和31年の調査団ですけれども、日本の道路は信じ難いほどに悪い、工業国にしてこれほどまでにその道路網を無視してきた国は日本のほかにないと、その整備状況の劣悪さを痛烈に批判し、警鐘を鳴らしたわけであります。
 戦後、限られた一般財源による予算制度だけでは増大する交通需要に対応することはできないということから、昭和31年に日本道路公団を設立いたしまして、民間の資金を活用し、借入金で早期整備を進めるという有料道路制度を導入したところであります。特に、最初に着手した名神高速道路の建設資金の調達方法といたしましては、国内の資金だけでは賄えないことから、世界銀行、世銀から建設費の約25%に相当する8000万ドル、288億円の借款を行ってまでその整備に取り組んでまいりました。
 その結果、46年後の今日までに約7000キロメートルのネットワークが形成され、1日約400万台が利用し、国内貨物輸送の約4分の1、自動車輸送だけで見ると約2分の1を担うまでになっておるのであります。
 そこで、佐藤国土交通省副大臣にお伺いするわけでありますが、高速自動車国道など有料道路制度が我が国の発展に果たしてきた役割についてどのように認識しておられるのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。


○国土交通副大臣・佐藤静雄君
我が国の高速道路というのは、昭和31年に道路公団ができて以来、有料道路制度によってずっと整備をされてきました。有料道路制度によってフランスやイタリーなども同じような形でやってきておりますけれども、日本においても、利用者が負担をしていただく、そして整備をしていく、そういう方法でやってきているわけであります。ずっとその当初の、これもうほとんど国の負担がない状態でやってきましたけれども、最近多少の国の負担が入った形でやってきておりますけれども、それはしかし外国に比べたら非常に少ない国の負担であります。そのようにして、利用者負担によってずっとそれを続けてまいりました。
 今、先生おっしゃったように、その延長は全道路の0.6%にすぎません、今できているのは。今、6959キロ、約7000キロできておるわけでありますけれども、全道路の0.6%にしかすぎませんけれども、走行台キロは全道路の9%を占めております。先生おっしゃったように、国内貨物輸送の4分の1をこの高速道路が担っているということであります。
 そして、都市間をつなぐ高速道路は、それぞれ時間短縮を生み出して、経済効果を、それぞれの地域の経済効果を非常に大きく伸ばしておりますし、更にインターチェンジまでの港湾や空港などからの距離を短縮しようと、そういう思いでずっと今までやってきておりますから、そういう効果も非常に発揮をしてきております。
 今までこの事業費として28兆円が投入されてきておるわけでありますけれども、そのうち国費はわずか13%、3.7兆円であります。一般国道と一体となって幹線道路のネットワーク化に努めていく、やっぱり最終的にはいかにネットワーク化をするか、それは高速道路のネットワーク化を完成することによってより一層の効果を生み出していくわけでありますから、そういう方向に向けて少ない国費で最大の効果を出していく、そういう目的を持って今までやってきております。


*有料道路制度にどのような課題が生じているのか

〇松村龍二君
 今後の我が国の経済の発展を考えますと、空港、港湾、並んで基幹的社会資本である高速道路の整備は極めて重要であるというふうに思います。しかしながら、右肩上がりの経済が終わり、我が国の既存のシステムにも制度疲労が起きておるということは事実かと思います。今回の道路公団を含めた特殊法人改革もこうした大きい状況変化の中でとらえるべきであるというふうに考えます。
 これまでの高速自動車国道の制度については、衆議院でも30時間の審議が行われたわけですが、昨年来いろいろな指摘がございます。バブル期の計画を見直さずにきたとか、過大な交通量予測に基づき償還計画を立ててきたとか、赤字の補てんに国費をつぎ込んできたとか、計画の失敗を糊塗するために償還期間を延長してきたなどの指摘があるわけであります。これらの指摘につきましては誤解に基づくものも多いというふうに思いますが、高速道路整備の制度的根幹を担ってきた有料道路制度の曲がり角を迎えている面は否定できないというふうに思います。
 例えば、これまでは、物価、他の公共料金が上昇する中で高速道路料金はそれほど高いと思われていなかったわけですが、近年のデフレ傾向の経済状況の下では料金の割高感が高まっております。先般、この委員会でもアクアラインを視察に行ったわけでありますが、アクアラインの例でも、バブルの時期であればあのような金額で可能と思われたわけです。しかし、現在は値下げされているけれども、まだ料金が高いとの声が強いわけであります。極論ですが、せっかく社会資本として整備したのだから、無料にしてでも有効に活用したらいいんじゃないかと。そのことによって日本全体が発展するということ、それに伴うペイバックがあればその方がいいんじゃないかという意見もあろうかと思います。
 そこで、再び佐藤副大臣にお伺いいたしますが、有効に活用されてきた有料道路制度、高速自動車国道がなぜ特殊法人等整理合理化計画の中の計画の対象になり、見直しが行われることになったのか、何が問題であるというふうに認識しておられるか、具体的にどのような課題が生じているのか、国土交通省の認識をお伺いします。

○国土交通副大臣・佐藤静雄君
 先ほどトラック協会の大会のお話が先生からございましたけれども、今非常に経済がこのようにして低成長に入ってしまって、なかなか回復しないという状況が長らく続いております。トラック業者の方々も、荷物の運搬費、料金を取る、何と言うんでしょう、料金収入という、何と言うんでしょうね、収入が非常に減っているんですね。お客さんからの荷物の運び賃が非常に減ってきている。そのために有料道路料金もなかなか払えないという状態に今なってきております。全体に見てみまして、有料道路の利用量が全体に少し減りぎみです、そういう意味で。ですから、そういうトラック業者の方々、大型のトラックが利用状況がちょっと減っている状態になっております。そんなことを見てみますと、非常にそれぞれの路線を見てみると厳しい採算状況が生まれてきております。
 そしてさらに、間もなく人口がピークを迎えて少子社会に入っていくわけでありますけれども、そうすると、一層将来の交通需要というものが大きな伸びが期待できないという状態に入ってくるんだと思います。そうすると、採算性の確保ということが大きな問題になってきます。しかし、その中において、交通量が少ない、更には多くの事業が継続していかなくちゃならぬ。
 やっぱり、先ほど申し上げましたとおり、高速道路というのはネットワーク化しなければ本当の大きな効果は現れてきません。ですから、もちろん高速道路だけのネットワーク化じゃなくて、一般道路のも加えていろんな形のものを作り上げながら、今いかにして日本の道路をネットワーク化するかという、そういう大きな課題に向かって私はやってきているわけでありますけれども、経済全体がこのようにしてデフレ傾向の中において、有料道路料金等の割高感が出てきていることも確かでありますし、経済状況が非常に悪い中において、先ほど申し上げましたとおり、運送業者の方々がそれだけの有料道路料金を払えるだけの収入も余りないと、そういうことが出てきております。
 現行整備計画が非常に厳しい状態に今陥ってきております。国土交通省といたしましては、限られた財政状況の中で、いかにしてネットワーク化をやっていくのか、いかにして地方の、地域の皆さんの期待にこたえていくのか。たくさんのプロジェクトも起きていますから、高速道路ができたらこんな町づくりをしたい、こんな産業を興したい、いろんなことが行われてきておりますから、そういう皆さんの期待にこたえなければならない。そういう中において、この有料道路制度というものを今後とも活用していくということはやっぱりやっていくべきだろうと、そう思っております。その上で、できるだけ早くにネットワーク化を完成させていく、そのことが非常に大事だろうと思っております。
 ただ、今申し上げましたとおり、たくさんの課題が生じてきております。ですから、今、こういう問題が起きてきて、もう一回見直してみようという機運が高まってきた大きな原因だろうと、そう思っております。


*4公団民営化の意義、メリットは何なのか

〇松村龍二君
 特殊法人は行政に関する公的な事業を遂行するため特別の法律により設立された法人でありまして、昭和30年代にはとりわけ多くの特殊法人が設立されました。以後、行政ニーズの多様化、高度化に対応いたしまして、公共事業、政策金融、研究開発など、幅広い分野において各省庁等との緊密な連携の下、様々な政策実施機能を果たしてきたわけであります。
 特殊法人の改革は、これまでにも行われてまいりましたが、その多くが事業の見直しに手を付けず、法人の統廃合などによる数合わせにどうしても終始してくるという傾向がありました。今回の改革においては、単に特殊法人の組織形態、器の見直しにとどまらず、中身である事業がどうであるべきかが重要であるというふうに思います。
 しかしながら、今回の道路関係4公団民営化推進委員会設置法案に関係する日本道路公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団、本州四国連絡橋公団を民営化することの意義、メリットは何なのか、この改革の基本となる部分が意外に国民に伝わっていないというふうに思います。
 民営化すれば、整備のスピードが速まるのか、料金がより安くなる可能性があるのか。逆に、政府による支援が期待できなくなることから、企業リスクが高まり、資金の調達コストが上昇するわけであります。また、法人税、固定資産税を始めとした公租公課が発生するなどにより、かえって利用者に過度の負担を強いることになるのではないか、このような期待と不安がない交ぜになっております。
 現に、民営化の議論が市場に影響を与えておりまして、道路関係公団の財投機関債の発行金利は国債と比較して割高となっております。これだけの日本じゅうに張り巡らされました資産を持っておる道路公団でありますので、財投機関債の発行金利が安くてもいいというふうな気もするわけですけれども、一面、先ほどの借金もしょっておるわけでありまして、割高となっております。例えば、先月発行の日本道路公団の十年債は、応募者利回りが2.24%と、十年国債の1.39%と比較してプラス0.85%の差が開いておるわけであります。
 石原大臣にお伺いいたしますが、このような点も含め、今回の特殊法人改革、中でも道路関係4公団を民営化する意義、メリットは何なのか、少し詳しくお聞かせいただきたいと思います。


○行政改革担当大臣・石原伸晃君
 特殊法人は昭和30年代に行政の出先機関としてアウトソーシングという形で実務を行う形で設立をされて、これまでに様々な成果を上げてきたことは私が申すまでもないと思いますが、しかし従来から経営責任の不明確性、あるいは事業運営、これも行政の出先機関でございますので、言ってみれば親方日の丸、非効率性、不透明性、あるいは一本一本が法律によって設立されておりまして、仕事が終わればその仕事をやめればいいんですけれども、組織、業務が自己増殖をして仕事を自ら増やしていく、あるいは経営の自律性の欠如、今、委員は財投機関債で資金を調達するというお話がございましたが、これも財投改革によってなされた業でございまして、これまでは資金運用部を通して一律的に資金が供給されてきた、問題が指摘されてきたところでございます。
 そんな中、昨年四月に小泉内閣が発足いたしまして、民間にできることは民間に任そうじゃないかと、こういう基本原則の下に見直しを行いまして、昨年末に特殊法人等の整理合理化計画を取りまとめました。これは、委員御指摘のとおり、これまでの特殊法人改革が統廃合による単なる数の減少ということに力点を置いていたのに比べまして、各法人の事業を徹底的に見直して、組織形態だけではない事業見直しを主眼に置いたところが大きなポイントでございます。
 さて、この道路関係4公団についてでございますけれども、民営化の推進によって私はコスト意識の徹底が図られると思っておりますし、民間会社でございますので、当然採算性を重視した事業運営が行われる等のメリットが考えられるわけでございます。 また、新たな組織が確実に債務を償還できるよう新規投資に一定の歯止めを掛ける観点から、特殊法人等整理合理化計画において、新たな組織は民営化を前提とし、年間3000億円投入されていた国費は投入しない、償還期限は50年を上限としてその短縮を目指すとの基本方針の下、現在御審議をいただいております第三者機関において具体的内容を検討することとしたところでもあるわけです。
 今後、新たな組織及びその採算性の確保に関する民営化推進委員会の意見を踏まえて、経営の効率性の向上や利用者サービスの向上等、民営化のメリットを委員御指摘のとおり国民の皆様方が広く享受できるような実効ある改革の具体化に取り組んでまいりたいと考えております。民営化はあくまで目的ではなくて手段であると、こんなふうに考えております。


*4公団民営化推進委員会の役割は?

〇松村龍二君
 現在の高速道路の整備計画は、国土開発幹線自動車道建設会議の議決を経まして国土交通大臣が決定することになっております。私どもの地元は若狭湾を走る高速道路を長年待望しておりまして、国幹審の決定がどうなるかどうなるかと本当に県民がその内容についてもう大変な関心を寄せて、整備、施行命令が出ているところです。
 今回の道路関係四公団民営化推進委員会の所掌事務は、道路関係4公団に代わる民営化を前提とした新たな組織及びその採算性の確保に関する事項について調査審議し、その結果に基づき内閣総理大臣に意見を述べるというふうにされております。これまで国幹会議の議決を経て決められてきた高速道路の個別路線の整備につきましては、この民営化推進委員会が設置された後は、委員会が調査審議し、決定することに変わったのか、あるいは、そうでないとしても、どのように関与してくることになるのかと、関心が持たれるところであります。このことは、これから高速道路の具体的な整備の是非といった大変重要な問題を議論するための大前提と考えております。
 また、ほんの二年ほど前に、時の総理と関係閣僚らにより構成されるいわゆる国幹審におきまして決定された整備計画9342キロメートルについて、内閣が替われば凍結だ、中止だと、計画そのものが変わることになるというのでは、国民の行政に対する不信感が醸成されるのではないかという心配の声も聞くわけであります。
 そこで、民営化推進委員会と国土交通省、国幹会議との関係についてどのように整理されておられるのか、石原大臣にお伺いします。


○行政改革担当大臣・石原伸晃君
 民営化推進委員会と国幹会議との関係、役割分担でございますけれども、民営化推進委員会は、特殊法人等整理合理化計画に示されました、先ほども説明をさせていただきました、国費を投入しない、償還期限は50年を上限としてその短縮を目指す等々の基本方針の下に、これまでどうも適切ではないというような指摘もされております道路交通需要の見通し、あるいは先ほど財投機関債の金利について委員御指摘されましたけれども、この金利の動向によりまして調達とできる事業というものが大きく変わってくる、この金利の見通し、あるいは費用対効果分析の考え方等について御検討いただきまして、新たな組織による高速自動車国道の整備の前提となる採算性の確保に関する基準などについて総理大臣に対しまして御意見をいただきたいと考えているところでございます。
 そして、委員の御質問でございますが、高速自動車国道の個別路線の整備につきましては、この委員会の意見を踏まえて、高速自動車国道法に基づき、国土交通大臣が国土開発幹線自動車建設会議、国幹会議の議を経て政府として最終的に決定すると整理をさせていただいているところでございます。


*民営化推進委員7名はどのように人選するのか

〇松村龍二君
 そこで、民営化推進委員会の審議が本当に意味のあるものになるか否かは委員会を構成する委員の人選に係っているということが指摘されます。委員の数は7名ということでありますが、どのような観点から人選されるのかと。
 この問題につきましては、昨年来、大変なヒートした議論が行われまして、一方は、道路のことも分からない素人が参加をするなんてとんでもないという指摘をしますし、片方の方は、道路族という言葉があるけれども、学者族と、道路学者というようにののしり合っているというふうな、ヒートしたわけであります。
 しかしながら、法文には優れた見識を有する者のうちから内閣総理大臣が任命するとされているだけでありますので、具体的にはどのような分野のどのような方がふさわしいと考えておられるのか、熊代副大臣に委員の人選の考え方を確認いたしたいと思います。

○内閣府副大臣・熊代昭彦君
 基本的には、本法律を可決、成立させていただいた後に、総理大臣のリーダーシップの下に選んでいただくということだというふうに思いますが、特殊法人整理合理化計画にもいろいろと書いてございます。委員既に御指摘のとおりでございますが、改革意欲に富んで、国家国民的視野に立って、特定の分野及び利害に偏することなくと、公正な判断をなし得る方々を総理が選んでいただけるということでございますので、7人しかいないということでございますから、非常に広い立場で、全国民的な見地に立って考えて、結論を出してくださる方を総理のリーダーシップの下で選んでいただくということになると思います。

*近畿自動車道敦賀線の小浜西―舞鶴東間は14年度中に開通予定

〇松村龍二君
 次に、話を具体的に理解するために、地方の問題について触れてまいりたいと思います。
 全国のそれぞれの地域で、高速道路ができることを前提に、地域活性化のための、地域振興策に取り組んでいるという実態と本法案との関係について確認してまいりたいと思います。高速道路の計画的な整備がなされないと、これまでに全国高速道路ネットワークの整備に協力してきた国民の行政不信、地域振興等の策の大幅な見直しが生じ、経済発展に与える影響は計り知れないものがあると危惧しているところであります。
 私も、地元の例をお話しすることが初めふさわしいのかどうかというふうに考えたわけです。私どもに北海道の話、どなたかの議員がされてもぴんときませんし、山陰地方の高速道路について話されてもぴんとこない。そういう意味におきまして、私が地元福井の話をしてもぴんとこないのかなという心配もいたしたわけですけれども、しかし、必ずしもそうでもない、全国的な意味を持っている話であると、位置付けであるというふうに認識いたしまして、質問をさせていただくわけであります。
 日本の列島をちょっと、人体でいうとぎゅっと前へ傾いたときのおへその位置にあるのが我が福井県の敦賀というところであります。その敦賀にリアス式の若狭湾という大変きれいな、水上勉の話にある若狭湾というのがありまして、ここに原子力発電、過疎地でありましたので、原子力発電が15基造られてきておる。そこに、電車も走っていない、ディーゼルカーが、7億キロワット・パー・アワーというような電力を年間に作って、関西の半分、日本の4分の1の電力を供給しながら、電車も自分で発電する、電気も使わないでディーゼルカーが走っておる。
 道路は、国道が一本通っておりまして、海水浴客、行楽客のシーズンには、隣村に不幸がありましても、わずか一車線しかない道路が詰まっておりますと駆け付けられないというふうな大変な不便を持っております。阪神大震災のときには、迂回道路といたしましてぶんぶんトラックが走った。その後も、生活道路をトラックが走り回っておるという状況でございます。
 そのことをまず申し上げまして、この近畿自動車道敦賀線というのは、国土の中央に位置し、日本海国土軸形成の一翼を担い、中国道、名神高速道路、北陸道と一体となりまして近畿圏、中部圏、北陸圏の広域ネットワークを形成しています。今まで東日本と西日本を結ぶ最短ルートは太平洋側の道路ということでしたが、東北地方に磐越自動車道ができたことに伴い、むしろ日本海側も使って走った方が距離が短縮されるというような中で、この道路も見直されておるということかと思います。
 阪神・淡路大震災で幹線道路が分断されたときも、国道27号との組合せで迂回路として西日本と東日本の物資の輸送に貢献した実績があるといった機能、特徴を有しております。しかしながら、現在、大阪府吹田市から中国縦貫自動車道を介して京都府舞鶴市までは供用しておりますが、福井県域の50キロがいまだ整備途上にあるわけであります。この未供用地域である若狭湾沿岸地域は、先ほど申しましたように大変なエネルギーの供給地でありまして、小泉総理が議長を務める原子力立地会議におきましても、この3月、原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法に基づく地域振興計画が決定されまして、この計画の中にこの線の整備が組み込まれたところであります。
 そこでまず、近畿自動車道敦賀線の舞鶴―敦賀間の整備の進捗状況について国土交通省にお伺いします。

○国土交通省道路局長・大石久和君
 近畿自動車道敦賀線は、兵庫県美嚢郡吉川町を起点といたしまして福井県敦賀市に至る延長162キロメートルの路線で、このうち路線全体の約5割に当たります87キロメートルを既に供用いたしております。現在、舞鶴東インターチェンジから敦賀ジャンクション間75キロメートルについて鋭意利用を進めておる路線でございます。このうち、舞鶴東インターチェンジから小浜西インターチェンジ間の25キロメートルにつきましては鋭意工事の進捗を図っているところでございまして、平成14年度中の供用を目標といたしております。これに続きます区間でございます小浜西インターチェンジから敦賀インターチェンジまでの50キロメートルにつきましては、現在、一部で用地買収を進めるとともに、その他の区間では、地元設計協議など用地買収に向けた準備を進めているところでございます。また、福知山インターチェンジから舞鶴西インターチェンジ間の24キロメートルにつきましても、現在、四車線化の事業を行ってございまして、そのうち綾部インターチェンジから綾部パーキングエリア間の7キロメートルは平成14年に完成する予定でございます。
 なお、京都縦貫道と接続いたします綾部ジャンクションにおきまして、丹波綾部道路及び綾部宮津道路の延伸に合わせまして、綾部ジャンクションのフル化、フルインターチェンジ化、全方向サービスでございますが、の事業も実施してございまして、これにつきましても平成14年度供用する予定でございます。


*高速道路建設計画凍結は地域への影響が大きい

〇松村龍二君
 地元も一日も早い完成のために工事用道路を全額地元で負担するというようなことなど、積極的に協力していると聞いております。また、全線整備を前提に県、沿線市町村は地域振興計画を立てまして、日本海、先ほど申しました日本列島のへそであります敦賀港の整備、中国あるいは韓国等との交易で重要な役割を担う敦賀港の整備、エネルギー関連技術を活用した関連産業の誘致、また現在非常に高齢化の進む中で、若狭湾観光リゾートということが非常に注目されておるわけでありまして、これらの各種プロジェクトが先行的に進められております。地域はもとより県民挙げて早期完成を待ち望んでおります。
 特に、敦賀港の整備につきましては、年間取扱貨物量が現在の1万3000トンから平成17年には1万5000トンに増加する想定の下、多目的国際ターミナルの整備を中心に進めております。それから、福井県を含めた周辺県の荷主へのアンケートでも敦賀港を更に利用しやすくするための要因として、敦賀港までのアクセス道路の整備を挙げる声が、海外定期航路の開設と港湾そのものへの要望に続いて高位にあると聞いております。このことからも、この線との連携が敦賀港の利用促進と新たな貨物の掘り起こしに不可欠となっていると考えられます。
 高速道路という社会資本の特徴は、先ほど副大臣がおっしゃいましたようにネットワークとしてつながって初めて最大限の効果がもたらされるわけであります。この地域に限らず全国的に、あと少しでネットワークが完成するのに、今回の特殊法人改革でこれが不透明になったという心配の声もよく聞くところであります。我々地元の者は、今申し上げておりますように、この道路は優先度が高いんじゃないか、この道路は建設しないということはないだろうというふうに確信しているわけですけれども、本四架橋公団の、まあ我々全く関知してないところで三つの橋を造るということで膨大な負債がある、それを道路公団、新しい四つの公団合わせた会社が、組織がこれを全部しょって料金から払っていくということになれば、高速道路は今後、全国で1キロもできないという理屈になります。こう考えますと、大変に不安になってくるわけであります。
 一部に高速道路の建設を凍結すべきであるという議論もありますが、地域に与える影響は並大抵のものではございません。凍結した場合の影響、これによって生じる問題について、どのように認識しているのか、道路局長にお伺いします。

○国土交通省道路局長・大石久和君
 現在、事業を進めております高速自動車国道は平成11年12月の国土開発幹線自動車道建設審議会、いわゆる国幹審の議を経まして整備計画9342キロとして決定され、これに基づき進めておるものでございます。
 整備計画の決定に当たりましては、環境影響評価が行われているということを事前の条件といたしております。したがいまして、整備計画区間はすべて環境影響評価が行われております。この環境影響評価は、一般的には2500分の1の地図を用いて行うような精度の高い調査でございます。したがいまして、地域の個々の住民の方々の個別住居と道路との関係が明らかになるといったような精度のものでございます。これは公告縦覧を行っておるものでございます。
 また、都市計画決定が延長の約6割について行われておりまして、土地の所有者の権利が都市計画によってもう既に制限されております。
 また、整備計画区間は42都道府県に関連してございまして、この都道府県におきましてはインターチェンジのアクセス道路の整備あるいは各種開発計画等が進められておりまして、進行中の物流拠点開発、宅地開発などの地域開発プロジェクトは関連するものだけで全国で111か所、これが整備されますと10万人の新規雇用が創出されるのではないかというような効果が見込まれておりますが、こういう程度に及んでおります。
 道路の整備計画は、関連する様々な計画と一体となっております言わば地域計画そのものでございます。したがいまして、道路の整備計画の凍結は、これらの地域整備計画の凍結ということにつながりかねない、地域に多大な影響があるものと認識をいたしております。

〇松村龍二君
 高速自動車国道の整備により恩恵を被るのは何もこれを利用する者だけでなくて、採算性とは直接関係しない面においても様々な効果があることを切り捨てて議論すべきではないと思います。
 例えば、救急医療に対する効果を見ますと、アメリカにおいて心肺停止後2分で蘇生率が90%であるのが5分後では25%に低下するという研究もありまして、時間短縮によりもたらされる効果は採算性という物差しだけでは計り知れない分野があります。 ここのリアス式海岸の地におきましては、以前の話ですけれども、異常出産のおそれがあるということで、より大きな病院に搬送しようとしたが、道路が悪いために大変時間が掛かってしまい、亡くなったという話もございます。現在でも、先ほど申しましたように国道一本が大変に渋滞をしておるということで救急車が走りますと敦賀まで走っている間にはほかの救急事案に対処できないとか、27号線に非常に時間が掛かって不幸を、悲劇を招いているというようなこともあるわけであります。
 また、海外に目を向けますと、経済成長の著しい各国におきましても国の基幹的インフラの整備に大変力を入れております。例えば、中国におきましては、1988年から高速道路の建設が始まりまして、ほんの十数年ほどの間に約1万9000キロメートルの高速道路ネットワークを築き上げ、目覚ましい経済成長を遂げております。
 昨今、外交問題でも気がめいるような話とか、経済の問題も大丈夫だ大丈夫だと、満更日本は捨てたものでないと、総理、時々おっしゃいますけれども、先日発表されましたスイスの経営開発国際研究所、IMDによりますと、国際競争力ランキングでは、日本は、1997年の世界第17位を最高に後退の一途をたどり、今年は30位。17位から30位に落ちて、一方、中国は31位に急追、急迫してきたと。韓国は27位、マレーシアは26位と、欧米各国はおろかアジアにおいても地位が低下しているわけであります。
 国の経済の発展を考えますと、物流のかなめである空港、港湾、高速道路は基幹的社会資本として体系立てて整備する必要があり、整備の遅れにより国力が弱体化するようなことがあってはならないと考えるわけであります。
 高速道路の整備においては、採算性も重要であるけれども、国際競争力の強化の視点も含め、多様な整備効果も考慮して整備の在り方を考えるべきではないかと考えますが、国土交通省の見解をお伺いします。

○国土交通副大臣・佐藤静雄君
 高速道路の整備について9342キロという整備路線の議論がずっとなされてきておりますけれども、本当は高速道路は1万1520キロという今の予定路線、これは昭和62年に国土開発幹線自動車道建設法で衆参で全会派一致で決められたものであります。それに従って我々は整備を進めてきたわけであります。
 この1万1520キロの整備というのはどういう効果を生むかといいますと、1時間でカバーできる状況というのが、インターチェンジまでのアクセス時間が1時間以内、これは面積として85%、国土の85%に到達できる。今平成13年度現在で69%でありますけれども、85%をカバーできる。さらに、県庁所在地、要するに県庁所在の都市の市役所からインターチェンジまでのアクセス時間が30分以内の都市、これは現在45都市でありますけれども、そのときには47都市が実現できる。さらに、人口5万人以上の都市をカバーする状況ですけれども、現在388都市ありますけれども、そのときには420の都市がカバーできる。そういう1万1520キロという予定路線、これを何とかして造り上げようということで今まで進んできているわけであります。
 そのようにして高速道路というのは地域の連携を深めていく、さらに、地域の発展のために大きな経済効果、地域の発展をする根源的なものであろうと、そう思ってやってきておるわけであります。
 さらに、日本の将来を考えますと、市町村合併が進み、更に将来は地域間の競争をする、道州制ということになるのかどうか分かりませんけれども、地域間の競争の中から日本の活力を生み出していく、そのときに高速道路というものが今申し上げたように大きな効果を生む状況に造っておくということが非常に大切なんだろうと思います。
 特に、先ほど先生がおっしゃったように、私どもも国土交通省として一つになって、空港と道路のアクセス、港湾とのアクセス、鉄道との関係、いろんなものを考えながら今進めておるわけであります。そして、地域の総合的な発展を期していこうと、そういうことでやっております。
 今後、この整備については、民営化推進委員会の意見を踏まえて、これらの課題を十分に考えながら、国土交通大臣が国幹会議にかけて、その議を得て最終的に決定することになるわけでありますけれども、我々はいろんなことを考えて、いろんな手法を考え、いろんな工夫をして、そして大きなこの高速道路の役割というものを果たしていくように努力していきたいと、そう思っております。


*整備計画が策定されている9342qは国が責任を持つべきだ

〇松村龍二君
 民営化を前提とした新たな組織が建設する路線については採算性の確保が前提となるということでありますが、このため、現在の9342キロの整備計画もその実現の見通しが明確にされていない状況であります。
 衆議院の審議の中で、整備計画が策定された路線9342キロについては、仮に新たな組織によって整備されない区間が生じることになっても、国が責任を持って造りましょうという総理の答弁があったように記憶するわけですけれども、私も国が責任を持って着実に整備を進めるべきであると考えますけれども、道路局長の見解をお伺いします。

○国土交通省道路局長・大石久和君
 高速自動車国道の整備は平成11年12月の国幹審の議を経て決められたものでございまして、これを目標といたしまして現在整備を進めているということでございます。
 今後の高速自動車国道の整備につきましては、先ほど来お話ございますように、民営化推進委員会がいろいろお出しになりました意見を踏まえて検討していくこととなるわけでございますが、この議論の前提となっております特殊法人整理合理化計画におきましては、新たな組織により建設する路線というものとその他の路線というものにもう書き分けております。したがいまして、新たな組織により建設することとなるものとその他の手法により建設することとなる路線というものを既に念頭に置いていると、このようなことが言えるのではないかというように思っております。
 したがいまして、その他の路線の建設につきましては、整理合理化計画にも記されておりますように、例えて言えば直轄方式による建設であるとかいうようなものを想定いたしておりまして、今後、新たな整備手法を含め、種々の手法を活用した整備をしていく必要があると考えております。


*地方は自動車が足。もっと声を聞くべきだ

〇松村龍二君
 今後のこの委員会の検討において地方の声を聞いていただきたいということの話としてちょっと御質問するんですが、東京では公共交通機関が非常に発達しておりまして、むしろ駐車場がないから自動車を利用することは不便であるというような状況もあろうかと思います。だが、私の地元では全世帯で平均しますと一家に2.4台の車を持っておる、通勤手段として60%が自動車に頼っておる状況であります。それから、時間的な推移で見ますと、10年の間に人口は微増なんですけれども、自動車保有台数は30%増加するというようなことで、交通量も県内の幹線道路であります国道8号線の福井市内で11%増、国道27号線、敦賀市内で68%増というふうに、10年の間に自動車の交通量が増えておるということであります。
 一方、高齢化で自動車利用が減るというような先入観をお持ちの方も、識者もおられるようでありますが、この10年の間に65歳以上の高齢人口の割合は20%に増えまして、また昨今、地方鉄道が事故等を起こしますと廃線というようなことも言われる状況の中で高齢者の自動車利用も増えていると、こういうようなことであり、地方の実情を全く知らない評論家の机上の空論では困ると、こういうふうに思うわけであります。熊代副大臣、お伺いしますが、委員会審議には地方の声を反映させるべきではないかと考えますが、御見解を伺います。

〇内閣府副大臣・熊代昭彦君
 高齢化社会になりますと自動車を使う人がどんどん減るんだと、そういう意見の人も確かにございます。しかし、実際の数字は、今、先生の御指摘のとおりでございまして、そういうやっぱり実態、地方の関係者の御意見というのはこの審議に十二分に反映されなければいけないだろうということは先生御指摘のとおりでございます。
 委員会の運営につきましては、委員会発足後に委員会において決定されるということは間違いないことでございますけれども、地域の方の、地方の方の御意見をいかに聞くかということとでございますが、7人のメンバーというのは限られておりますので、その中に地域の代表ということもあるいは総理の方で御検討いただけるかもしれませんが、少なくとも地域の関係者のヒアリングを地方公聴会の開催などで十二分に考えていただくということはお願いできるのではないかというふうに考えているところでございます。

〇松村龍二君
 加えて、委員会の審議につきましては、多くの国民が関心を寄せておりますので、開かれた議論が重要であると考えます。委員会の審議状況は可能な限り公開すべきではないかと考えますが、どのようにお考えでしょうか。準備室長にお伺いします。

〇内閣官房道路関係四公団民営化推進委員会設立準備室長・坂野泰治君
 この委員会のみならず、いわゆる審議会一般につきまして、既に政府といたしましては、会議又は議事録を公開することを原則とするという方針を定めておるわけでございます。したがいまして、この委員会が発足をいたしました場合におきましても、この原則の下に具体的な公開の方法等について委員会で検討し、決定をしていただけるものと考えておるわけでございます。例えば、インターネットを活用した情報の公開などの方法も含めて、運営の透明性の確保にいろいろ御努力をいただけるものではないかと考えております。


*事業コストの縮減をどう図るのか

〇松村龍二君
 以上の質疑で示された高速自動車国道の性格を十分踏まえまして、真に国民にとってメリットのある改革を進める必要があります。その際、大胆なコスト縮減を行う必要があると考えるわけであります。
 正直申しますと、私ども、地元の人間は地元にだけ高速道路ができれば、あとのところは余り関心がない、こういう思いになりがちなわけで、だからこそ、専門的な委員が慎重に全国的な視野とあれで考え、検討する必要があるということかと思います。
 その際、大胆なコスト縮減を行う必要があると考えますが、新聞等にも時々載っておりますが、車線を減らすといった構造規格の見直しの問題、あるいは公団が採算性を厳しく議論されているのに、子会社、ファミリー企業の黒字が公団に還元されない、このため、関連事業を起こすなどして収益を取り込むような発想が必要ではないかというような意見もあるわけであります。
 道路局長にお伺いしますが、今後の事業コストの引下げについての考え方をお伺いします。

○国土交通省道路局長・大石久和君
 有料道路でございます高速自動車国道等の整備につきましては、コスト縮減ということを念頭に置きながら種々の対策を過去にもやってまいりました。平成9年4月には旧建設省が公共工事コスト縮減対策に関する行動計画というものを策定いたしましたが、この結果といたしまして、道路公団におきましても種々の作業を行いまして、工夫を加えていただいて、平成11年度で見ますと、平成8年度の標準的なコストに比べまして建設で10.7%、管理で9.8%の縮減を達成いたしましたし、また引き続き行っておりますコスト縮減の行動計画では、平成12年度には、平成8年度のコストと比較して建設関係で11.4%、管理関係で12.0%の縮減を道路公団事業について達成をしたところでございます。
 このような個々の事業コストの縮減の取組は引き続きいろんな議論とは関係なく進めていく必要があると考えてございますが、あわせて、今、先生から御指摘がございましたように、最もコスト縮減に効きますものは構造規格の見直しそのものでございます。
 例えば、縦断勾配等の道路構造の見直し、あるいは幅員の問題、あるいは車線数の問題等々におきまして構造規格を見直す、ただし、サービス水準のことは考えていく必要があると思いますが、そういったことを考えながら、構造規格を見直す。あるいは構造規格を具体に発注する際の、設計とする際の設計基準といったようなものの見直し等々を行う必要があると考えてございますし、また、業務発注費の縮減を通じました子会社や関連会社の利益を吸収する仕組みや、入札契約における一層の競争力の確保によるコスト縮減など、日本道路公団において行うべき事項につきまして、今後とも指導をしてまいりたいと考えております。


*首都高の橋脚疲労1400カ所、安全対策はどうする

〇松村龍二君
 今後、民営化を進めるに当たりまして、ネットワークの早期整備とともに、高速道路の万全の管理という観点も重要であると思います。1日平均400万台の交通量があり、自動車貨物輸送の約半分を担う高速道路が仮にその一部でも長期にわたり通行不能になれば、阪神・淡路大震災の経験でも明らかなように、日本経済への影響は必至であります。また、JRもトンネルの壁が剥落するといったことがありまして、急遽、全路線に、全トンネルについて見直しをするというような、大変な不時の出費というものが道路等についてはあるわけであります。
 また、首都高速道路におきましても、1日平均約115万台の交通量があり、東京都区内の幹線道路を通行している自動車のうち約28%が首都高速道路を利用、貨物輸送量では約38%が首都高速道路に依存いたしております。
 そこで、首都高速道路公団理事長にお伺いいたしますが、このように首都圏の経済を支える重要な役割を担っている首都高速道路において、先日、橋脚疲労損傷と思われる亀裂が約1400か所確認されているとの報道がありましたが、その原因及び対策についてお伺いします。

○首都高速道路公団理事長・瀬田悌三郎君
 鋼製橋脚の隅角部の損傷についてでございますが、平成9年10月の定期点検の際に3号渋谷線池尻付近で発見いたしました。その後、10年、11年と監視を継続してまいりましたが、平成11年11月に至りまして損傷の延びが確認されましたので、疲労損傷と断定したところでございます。
 直ちに、国の研究機関や大学等の専門家の参画を得まして、点検方法、補強方法等について検討を進めてまいりました。平成12年5月から鋼製橋脚のうち隅角部を有します約2000基につきまして詳細点検を開始いたしまして、14年2月に完了したところでございます。その結果、約560基の橋脚に約1400か所の疲労損傷の可能性のある損傷を発見したところでございます。この間、早期に対応が必要な16基につきましては、平成13年12月までに応急対策を完了いたしております。
 この原因といたしましては、供用から古いもので40年以上が経過し、車両の大型化及び重量超過車両等の通行によりまして構造物への負荷が蓄積したことなどが考えられております。
 今後の対策といたしましては、損傷の長さが30ミリ以上ある橋脚の約250二百五十基につきましては、詳細監視を行いつつ、早期に対応が必要なものにつきましては平成14年度じゅう、その他のものにつきましては平成15年度までに恒久対策を完了いたします。損傷の長さが30ミリ未満の橋脚につきましては、定期監視を行いつつ、対策が必要なものにつきましては引き続き恒久対策を行うことといたしております。また、高架下の定期点検、近接目視による定期点検におきまして隅角部の点検を強化いたします。さらに、重量超過車両の取締りにつきましても、警察の御協力をいただきまして強化をしてまいりたいと考えております。
 首都高速道路は、首都圏の社会経済活動を支える大動脈でございまして、お客様に安心して利用していただくため安全の確保に最大限の努力をしていかなければならないと認識いたしております。そのため、道路施設の点検の強化充実を図るほか、開通後長期間を経過した道路施設につきまして、損傷の発生を事前に予測し、予防的に対策を講ずる予防保全や、フェールセーフの考え方を取り入れた構造物の安全対策を計画的に実施し、安全の確保に努めてまいる所存でございます。


*民営化しても大規模な安全対策は維持できるのか

〇松村龍二君
 今後、施設の老朽化に対して適正な管理、場合によっては大規模な改修なども必要と考えますが、民営化された組織が責任を持って維持管理できるのか、道路のような公物に対して維持管理のことを考えると民営化はナンセンスという意見もあるわけであります。また、海外でも、民営化した英国の国鉄の例では、短期的な収益向上を優先する経営によって線路改修といった本来必要な投資がおろそかになり、大事故を招くなどして経営も破綻したと聞いております。
 そこで、石原大臣に民営化と維持管理の在り方について御見解をお伺いします。

○行政改革担当大臣・石原伸晃君
 ただいま首都高速公団の総裁から御答弁がございましたように、公団組織においても、利用者の最大のサービスであります安全性の確保に御尽力をいただいているわけでございますが、これは民営化された後も同じかそれ以上の適切な維持管理というものが確保されるべきであると当然のように考えているところであり、今後、この民営化の検討委員会におきましてもこの点につきましては十分に配慮をしていただいて、新たな組織の業務の在り方や採算性の確保についての御検討が行われると、このように承知をしているところでございます。


*本四架橋の技術をどのように継承するのか

〇松村龍二君
 私も衆議院の審議を時々院内テレビで拝見しておりましたけれども、民営化というものが30年、50年で元を取るというようなことで、巨額なお金をつぎ込んで純粋の民間の会社がそういう事業をやるかといえば、そういう会社はありませんよというようなことをある建設会社の人に言われたことがありますけれども、また、先般の衆議院の審議の過程を見ておりましたら、民営化というのは半官半民のことを言っているんですかというような野党の先生の、女性の先生の何か質問がありまして、いろいろな検討が行われているというふうに承知するわけですが、大変に重要なポイントであろうかと思いますので、よろしくお願いします。
 それから次に、先ほどちょっと触れました本四架橋の問題についてお伺いしたいわけですが、本四架橋、あのように美しい橋が四国に三本もできたということは、本当に日本国民の一人として誇りに思うという面は確かにあるわけですけれども、大変高い技術力を本四公団が保有していると考えられますが、厳しい自然条件、あるいは地震があるといった国柄、台風があるといった国の中で、このような本四架橋を通じてどういう今後とも温存したい技術があるのか、お伺いしたいと思います。道路局長、お願いします。

○国土交通省道路局長・大石久和君
 本四公団が達成いたしました技術は、今、先生からお話ございましたように、世界有数、場合によっては世界一の技術群だと言って差し支えないというように思っています。 例えば、明石海峡大橋はセンタースパン1991メーターでございますが、これは、それ以前のつり橋の世界第一位のセンタースパンが、ハンバー橋という橋梁でございますが、これが1410メーターであったのに対して500メーターも延伸しているでありますとか、あるいは水深の工事でございますが、ハンバー橋は約10メーター、それ以外の橋梁でも10数メーターのところでの工事でございましたが、明石海峡は50メーターでございますし、また潮流が8ノットという極めて速いスピードで流れている海峡部分に基礎を設置するといったような技術を開発いたしました。
 また、世界屈指の地震国で、ちょうどタワーが立っている状態で阪神・淡路大震災を迎えましたが、若干基礎がずれましたけれども構造物には何の影響もないといったようなこともございました。台風があり強風が吹くというような建設条件が非常に厳しい中で達成をいたしました種々の技術群は、耐震設計基準やあるいは耐風設計基準、大水深、急潮流下での海中基礎の技術開発等々の技術開発がなされたものでございます。その結果、本四公団におきましては、長大橋の建設管理に関する技術につきまして150件を超える特許及び実用新案を取得いたしております。
 具体的には、大規模な水中基礎を建設する際のコンクリートの問題、あるいはつり橋のケーブルがさびないようにするための防錆方法の問題、あるいはつり橋や斜張橋の主塔における点検、補修に用いる移動ゴンドラの開発等々のものがございます。また、これ以外にも、例えば明石海峡大橋で使いましたケーブルのスチール、これピアノ線でございますが、これは従前、150キロ鋼ないしは160キロ鋼、160キログラム・パー・スクエアミリでございますが、1ミリ当たりそれぐらいの重さに耐えるというものでございましたが、本四のこの明石海峡につきましては180キロ鋼というものを日本の鉄鋼メーカーとともに開発いたしまして、素材の開発にも寄与したといったようなこともございます。これらの技術は国内外で高い評価を受けてございまして、日本の国内外の長大橋の建設や管理に活用されておりますし、活用されていくものと考えております。

〇松村龍二君
 大変すばらしい技術を持っておられるということは分かりましたが、このような技術をどのように継承していくのか。国鉄、JRのように新幹線を他国に売り込むというように、本四架橋公団もこれでもうけるということをやっていただけば国民としては何も問題がないわけですが、この技術を生かして次々にまた橋を造っていこうということになりますと、ちょっと一考をせざるを得ないといった状況もあろうかと思います。
 現在の本四公団の採算状況及び財務状況について道路局長にお伺いします。

○国土交通省道路局長・大石久和君
 本四公団本四連絡道路の平成12年の収支状況は、管理費が248億円、収入はこれを相当上回って869億円でございますが、有利子資金をたくさん投入しております結果、利払いが1379億円というために、当期損失金758億円が発生している状況でございます。
 このため、平成14年度予算におきまして、公団の民営化に向けて先行的に有利子負債を圧縮する必要があるという考え方に基づきまして、将来の国民負担を軽減するため、平成13年度から開始いたしました無利子貸付け、平成13年度は800億でございましたが、これを1800億円として措置したところでございます。
 今後とも、重点的な支援措置を講ずるとともに、管理費の節減や利用促進のための各種施策の実施を行うよう公団を指導することにより、確実な償還が行われるよう努力してまいりたいと考えております。


*本四架橋の債務が他の高速道整備に支障を来さないか

〇松村龍二君
 最後に石原大臣にお伺いします。本四公団の抱える債務処理についてどう対処するおつもりであるか、併せて次の質問もさせていただきますが、特殊法人等整理合理化計画におきまして、本四公団の債務は、確実な償還を行うため、国の道路予算、関係地方公共団体の負担において処理することとし、道路料金の活用も検討すると記されておりますが、この道路料金の活用が仮に他公団の料金収入で本四の債務償還を行うことを意味するのであれば、今後の高速道路の整備に支障を来すことにならないか。、私は危惧しています。また、本四架橋以外の地域の利用者に果たして理解が得られるのか、大変大きな課題であると考えます。この点について、大臣の御見解をお伺いします。

○行政改革担当大臣・石原伸晃君
 ただいま松村委員が整理合理化計画を引いてこの債務の償還について御説明をいただきましたように、繰り返しになりますけれども、債務は、確実な償還を行うために、国の道路予算並びに関係地方公共団体の負担において処理することとし、道路料金の活用も検討するという基本方針の下、この民営化推進委員会において道路交通需要の見通しや金利の見通しなどを併せて御検討いただきまして、新たな組織が債務を確実に償還できる方策についての御意見というものを総理の方にいただきたいと。この意見を踏まえて政府としては必要な対応をこれから取っていくことになるわけですけれども、これは、本四架橋も全国の道路のネットワークの一環であることから、高速道路の料金収入の活用も検討するということを加えさせていただきました。
 しかし、委員御指摘のとおり、北海道の方とか東北の方が、何で本四の債務を面倒見なきゃいけないんだ、また松村委員の若狭湾の方々が、何でだということに対しては、なかなか説明するのは難しいという面もあると思っておりますけれども、やはりこの四公団一体として御検討いただきたいと、政府としては、本委員会の検討条項を踏まえて、そういうような批判にもこたえられるように適切に対応を図ってまいりたいと考えております。

〇松村龍二君
 以上、多くの観点から政府の見解を確認するために質疑を行ってまいりました。今後の議論で重要であるのは、民営化のための民営化ではなく、国民にとって真にメリットのある民営化を行うということであります。そのためには、道路関係四公団民営化推進委員会において、高速道路という社会資本の位置付け、これを有料道路制度で整備するメリットとその限界といった点を冷静に見極めながら議論が行われ、適切な結論が出されることが必要であるというふうに思います。
 また、小泉改革も、道路とか郵政とか、多くの国民にかかわる問題になりますと、国会議員がその人たちの、それに関係する人たちの方に引きずられるだろうと、したがって、おれ一人で改革やってやるというような意気込みで昨年来頑張っておられる。石原大臣はそれを中心になって支えてきておられるという点においては高く敬意を表するわけですけれども、日本も、これでもう終わりという、店じまいする国というわけじゃないと思うんですね。したがいまして、何か、小さく小さく話をまとめていくと、例えばこの問題にいたしましても、今、委員会を作って、暮れまでに審議する、それから、路線ということになりますと、来年、今年、進むべき経済活動が進まないで、しかも民営化しても、果たしていつごろそのメリットが出てくるのかといった問題にばかり手を触れておりますと、デフレ対策とかあるいは国際的な競争の中におきます日本の発展ということが実現できないということになろうかと思うわけです。その辺をよく、この委員会におきまして建設的な意見を出すよう期待するわけであります。
 そのためにも、繰り返しますが、委員会の人選が最も重要であり、先ほど御答弁もありましたが、本日の議論も踏まえ、是非とも国家国民的な視点に立って公正な判断をなし得る方を委員に任命されることを重ねて要望いたしまして、私の質問を終わります。
 どうもありがとうございました。