「委員会議事録」

シカ、猿、イノシシ…深刻な農村の被害
参議院内閣委員会会議録(平成14年7月16日)


○委員長・佐藤泰介君
 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題 とし、質疑を行います。


*農作物が全滅、樹木も売り物にならず


〇松村龍二君
 
ラストバッター として質問をさせていただきます。最近、日本の各地におきまして自然鳥獣が農作物に大変な被害を与えている。鳥獣の保護をする環境省がこの問題について近年どういうふうな取組をしてこられたのか。狩猟免許証を山の中へ行くときに持って歩けるように小さくするというようなことは三年前に取り組んでいただいたわけですけれども、新たな問題として出てまいりましたのは、銃刀法の許可、特にライフルについての許可につきまして、国家公安委員長の御英断をお願いしたいといったことについて質問させていただくわけでございます。
まず、鳥獣被害につきましては、都会に住んでおられる方は何のことかお分かりにならないかと思います。しかし、先般、テレビを見ておりましたら、神戸かどこかの町にイノシシの親子が夜な夜な出没する、親子で町の中を突っ走っているというような映像もございました。
 私どもの地元では、シカとクマ、猿、イノシシ、この被害が甚大であります。
 シカにつきましては、林業を得意とする町で植林をしましたところ、五千本の若木が全部芽を食われて全滅したというようなこともございます。それから、クマにつきましては、三十年とかそれぐらい成木した木を自分の背の立つところで皮をはぐわけですね、つめを磨くためか。それで、三十年ぐらいして今から売り物といった木が枯れてしまうといった被害も出ておるわけです。
 猿が これまた大変な悩みでありまして、農家の主婦が家へ帰りましたら、台所で猿が冷蔵庫を開けておった。びっくりして見ていたところ、猿がぐっと主婦をにらみ付けて、買物袋の中のものを持って屋根の上へ走っていったと、こういうようなことがちょくちょく聞かれるわけです。
 猿というのは非常に賢くて、収穫時期に爆音器を設置いたしましたところ、逆に収穫時期を教える効果になってしまって被害が増加した。あした庭のキュウリを取ろう、収穫しようと思っていたら、その日の朝、猿が取っていくというように、非常に賢い。また何でも食べる。それから、犬を猿対策用に危害防止のために鎖を付けて飼っておったところ、初めは猿も警戒しておったのですが、ある程度以上近づいてこないなということで、からかうようになりまして、犬がノイローゼになった、根負けしてしまったと、こういう報告もあります。
 それから、農作物を食べることによって栄養状態が良くなりまして、寿命が長くなることや子猿の死亡率が低くなることが知られております。それだけではなく、雌猿の出産期間が長くなり、特に高齢、括弧しておばあさんと書いてありますが、おばあさん猿が妊娠していることをよく見るということです。それから、嶺南地区には五十群の野生ニホンザルが存在するが、農作物を食べている群れは体格が大柄でニホンザルとは思えないような身長の高い群れもあると、こういう状況でございます。
 私どもの地域は、ちょうど滋賀県と琵琶湖の裏の山が福井、私の地元の裏とも接しております。それから、「丹波篠山 山家の猿が」というあの京都の山ですね、兵庫、それから九州に至るまで、大変に野生の鳥獣が繁殖しているわけです。 
 この原因は何かといいますと、いわゆるドングリとかそういうような濶葉樹がなくなって、針葉樹、杉の植林によってえさがなくなったから近寄ってくる。あるいは、過疎が進んで、農家の方が山の中の田んぼまで耕しに行かないということから、だんだん人家の方へ攻めてきたと。
 それから、最近、雪が降らなくなった。雪が降らなくなったので、イノシシが我々の地域、奥越という山の中なんですけれども、そういうところにもイノシシが来るようになった。イノシシは胴が大きくて手足が短いので、雪だとずぼずぼはまって歩けないと、こういういろいろな事情があるわけです。
 イノシシに一番頭を悩ますわけですが、イノシシは、猿と同様、何でも食べる。春はタケノコから始まり、ジャガイモ、米、サツマイモ、大豆、ユリネ、根菜類などなど。それから、イノシシは御承知のとおり豚の種族でありまして、非常に子供をたくさん産むわけですね。稲の収穫直前に親子七頭が毎晩水田に侵入し、約三日間で十アール、一反を全滅させた。イノシシが暴れた田んぼの稲は、仮に刈り取ることができてもイノシシのにおいがして売り物にならない。農協のライスセンターでも受け入れない。
 それで、その猟の方法として、わなとかさくでよけるとかいろいろあるわけですけれども、ある町で鉄製のおりを作成し、集落に貸し出した。イノシシがうまく掛かったが、おりが大き過ぎて、イノシシは助走しておりの扉に体当たりを繰り返し、とうとう壊して逃げてしまったと、こういう話もあるわけでございます。 
 そこで、農林水産省、政務官も佐賀県御出身でありますので、同じような被害もあろうかと思いますが、全国におきます農林業被害の現状と対策についてお聞かせいただきたいと思います。 


○農林水産大臣政務官・岩永浩美君
 今、松村議員から笑い話として看過できないほど深刻な問題になっている野生鳥獣による被害についていろいろなお話がございました。
 全国的な農産物の被害については、平成十二年度で被害面積が十八万ヘクタール、被害金額が二百二十四億円となっています。また、平成十一年度より調査を開始した被害金額では、平成十二年度より十四億円増加をしています。被害面積については、平成十二年度で八千ヘクタールとなっています。
 このため、農林水産省としては、農林業の被害を防止するために、侵入防止さく、電気さくなどの被害防止施設の整備や被害発生原因の究明と対策技術の開発の試験研究、住民全般を対象とした鳥獣の生態、被害防止に必要な知識などの普及啓発活動などを今実施しているところでございます。
 また、近年の鳥獣被害対策の実績としては、農林省として、平成十年度には二十四億円、平成十一年度には二十一億円、平成十二年度には二十一億円となっており、十三年度には二十五億円を見込んでおります。
 今後とも、地方の要望に配慮しつつ、今、松村委員からいろいろ御指摘がございましたことを踏まえて、引き続き鳥獣被害対策の推進に努めてまいりたいと思います。



*現在の狩猟免許制度にも問題がある

〇松村龍二君
 農水省が県と一体となり対策をしていただいておるということでございますが、先般、県の方に問い合わせましたところ、この国庫支出金が半減したので、来年もよろしく予算を付けてもらいたいと、こういうような要望がございましたので、よろしくお願いします。
 次に、このような鳥獣の被害に対しまして、さくとか電気とかおりとか、そういうことで対応するという、専守防衛の策というのは日本のお得意のところでありますけれども、やはり狩猟によってこれを退治しないといけない。ところが、片や環境省は自然の鳥獣を保護するということでございますので、最近苦労しておったわけですが、三、四年前に環境省もこのことに ついてお認めいただきまして、前向きの対策、特定鳥獣被害管理対策と、県が調査をいたしまして、異常に発生している、自然の生態系を壊すほどに多いという場合にはこれを退治することができるというような仕組みになったわけです。
 そういう観点におきまして、野生鳥獣による農林業被害の実態を踏まえて、環境省はどのように対応しているのか、お伺いいたします。さらに、併せて、狩猟の問題にだんだん絞られてくるわけですけれども、狩猟者数やその年齢構成の状況はどうなっておるでしょうか。また、狩猟者を含めた狩猟免許制度の問題点をどのように把握しておるか、お聞かせいただきたいと思います。



○環境副大臣・山下栄一君
 松村議員の御質問にお答えしたいと思います。鳥獣保護及び狩猟の適正化に関する法律がございまして、今国会でもこの改正をしていただいたところでございますけれども、人間と野生鳥獣の共存という、そういう基本理念の下に環境省は政策を組んでおるわけでございます。人間中心でもいかぬし、イノシシ、シカ中心でもいかぬという、その共生、共存を図っていくという観点でございます。
 野生鳥獣による農林業被害、先ほども被害額二百億円を超えるというお話が政務官からございましたけれども、これについて、緊急に対応する必要がある場合は、期間と捕獲数を定めて有害鳥獣駆除を実施する。また、被害が継続して発生している場合は、先ほどもお話ございましたけれども、特定鳥獣保護管理計画と、こういう制度を平成十一年の法改正で策定しまして、個体数の調整、要するに捕獲して数を調整していくと、異常に減り過ぎてもいかぬし、増え過ぎてもいかぬという。と同時に、動物の側に立った生息地をきちっとやっぱり確保する、保全する、整備するという、そういう観点に立ちました鳥獣保護管理計画というのを策定できるようにしたわけでございます。
 松村委員の地元の福井県におきましても来年度、平成十五年度に特定鳥獣保護管理計画、これはシカ中心ですけれども、それを作る予定になっておるわけでございます。この観点からも、環境省としましても調査を中心とする国庫補助の制度を持っております。
 また、抜本的な捕獲の在り方、それから先ほど申し上げましたように、個体数の管理、また被害防除対策も含めました基本的な制度の在り方、これを今後、人間と野生鳥獣との共存という観点からどうしていくかという検討会を設けて、この一月に設置したところでございます。
 先ほども松村委員おっしゃいましたように、なぜこういう、イノシシが町の真ん中を走ったり、猿が冷蔵庫を開けるようなことになっていったのかということですけれども、これはやっぱりいろんな観点があるわけですが、本来そういうシカとかイノシシが住んでおった世界、例えば森林とか里山とか、そこの動物の観点に立った生息環境が人間によって破壊されているという面もある。また、生ごみが、もう飽食の時代でたくさん出てきて、カラスもそうですけれども、異常に増えてしまうような状況を作った。それも人間の側にあるのではないかという観点も大事だという、そういうことから、こういう基本的な、抜本的な検討会を設けたところでございます。
 あともう一問でございますけれども、狩人、狩猟者、狩猟免許制度、これが先ほど申し上げた鳥獣保護並びに狩猟に関する、適正化に関する法律で書いてあるわけですけれども、これが年々専門家が、免許を持っている人が減ってきまして、昭和四十五年度は五十三万人、ところが平成十二年度は二十一万人。大半が五十歳以上で、免許を持っている人の七六%が五十歳以上、一番年齢構成の多いのは六十歳以上と、こんな状況になってきておるわけでございまして、有害鳥獣駆除要員としての狩猟者をいかに確保するかということも非常に大きな課題になっております。これも抜本的な対策が今浮かばないような状況でございまして、検討会できちっと検討するということになっております。
 制度につきましては、例えば試験の実施時期、これは年一回になっておりますけれども、増やせないか。回数も、実施時期も年一回、平日ということになっているのを日曜日にできないかとか、会場も県庁一本になっているのをもうちょっと増やせないかというようなこと、こんなことにつきましても都道府県等に対して要請しているところでございます。
 また、有効期間の延長という話もあるわけです。今は三年になっておりますが、実は昭和五十四年度にそれまで五年だったのを三年に縮めたわけです。当時、猟銃を持っている人の事件が、 銀行強盗事件とかがございまして、三年に縮めたわけですけれども、それをもう一度また延ばしてはどうかという意見も出ております。これも基本的な考え方をよく幅広い観点から整理していく必要があるのではないかと、このように考えております。



*大型獣の狩猟にはライフル銃が必要

〇松村龍二君
 大日本猟友会というのがありまして、これが環境庁委託調査で平成十一年度に狩猟者の減少実態等調査報告書というのをまとめております。そういう中で、いろいろな検討が行われているわけですけれども、その一つに、今、五十歳以上が七五%を占めているというお話がございました。スポーツの銃のクレーですか、あれも同じ銃かなと思うんですけれども、そういう猟銃の許可を取るのに警察署へ行くと、何か悪い目的で使うんじゃないかと、こう疑いの眼で見られるとか、サラリーマンが平日に七回も八回も警察署へ行かなければならないとか、あるいはここの警察署は簡単にくれるけれども、こっちの警察署はなかなか渋ってくれないとか、そういう問題がありますよという話を聞きます。
 それから、シカやイノシシのような大型獣の捕獲にはライフル銃が必要なわけです。散弾銃は五十メーターぐらいは倒す能力があるそうですけれども、やっぱりライフルですと二キロ、三キロ離れているところで望遠レンズを付けまして一発で仕留めることができるわけです。散弾銃ではなかなか仕留められない。しかも、五十メーター近くまで寄っていかないといけない。しかも、ライフルという、この狩猟は十人ぐらいが一組になって大体市町村役場から依頼を受けて駆除隊を作って、それで獣道にみんなが張りまして、上で勢子、犬等が追い出してイノシシが逃げていく、そこを仕留めると、こういうふうなことで、十人なら十人がそろわないとその駆除隊が編成できないといったような状況にあるわけです。
 そういう中にありまして、散弾銃の許可を取ってからライフル銃の許可を取るまでに十年間ということが法律で決めてあるわけです。ライフルを使ってけだもの猟をすると、これが専門とする人は何の時間の制限もない。あるいは、被害を受けた人は制限がないというふうな決め方をしておるんですが、ほとんどそれによって許可を得た人の話は聞いたことがない。
 普通の方は散弾銃の許可を取って十年たって初めてライフルの許可がもらえる。しかも、それが三年おきに免許更新というようなことで、面倒くさくなってやめたと。しかも、高齢であるといったことから、是非この十年について法律を改正して、三年とか五年とか実態に合うように検討していただきたいというのが今この鳥獣の被害をめぐる課題であるかな思います。
 片や警察の方からすれば、シラク大統領がライフルでねらわれたとか、二、三週間前も猟銃の事件があったとか、そういうことで少しでも減らしたいというお気持ちは分からぬでもないんですけれども、それとこれをうまく区分けして、現実に合うように対応していただきたいというふうに、一つの質問にまとめましたけれども、生活安全局長、最後に国家公安委員長から前向きの御回答を是非賜りたいと思います。


○警察庁生活安全局長・黒澤正和君
 ただいま委員から幾つかの御指摘がございました。
 まず、申請者にとって大きな負担となっている手続の問題の御指摘もございました。 この問題につきましては、新たに猟銃等を所持しようとする場合には、講習、教習資格認定、技能検定、所持許可申請、銃の確認、こういった手続が必要でございますけれども、それぞれ、講習は申請者本人が受講しなければならない。それから、教習資格の認定、技能検定、所持許可申請につきましては面接調査が不可欠である。銃の確認は自分で持っていきますので許可者本人が運搬すべきものでございまして、その都度警察署に来署していただかざるを得ないと、こういう状況でございますけれども、一連の手続の流れの中で、申請者の負担軽減のためにどんなことが可能であるのか検討してまいりたいと存じます。
 それから、高齢化いたしております現状についてお話もございました。散弾銃を継続して十年以上所持しないとライフルが持てないという問題でございますけれども、先ほど御指摘ございましたように、大変威力が強いライフル銃は社会的危険性も大きいわけでございまして、その所持許可に当たりまして、散弾銃を継続して十年以上所持していることを要件としているものであります。しかしながら、ライフル銃による獣類の捕獲を職業とする者、そしてまた事業に対する被害を防止するためライフル銃による獣類の捕獲を必要とする者という、職業の手段として必要不可欠な者につきましてはこのような要件は求めておらないわけでございまして、こういった面での社会的な配慮はなされておるということでございます。
 この問題につきましては、やはり銃砲の安全な所持、使用等を確保する、社会的危険性と、こういった問題がございますので、もろもろの観点から考えていかなければならないのではないかと考えておるところでございまして、委員から今現状の問題点についてお話がございましたけれども、被害の防止、いろんな被害があるわけでございますけれども、ライフル銃以外の方法はあるのかどうか、その被害の実態は今後どういうふうになっていくのか、さらに、仮に期間を短縮した場合には駆除従事者がどの程度増加が見込まれるのか、特に集団でのお話がございましたけれども、どの程度の増加が見込まれるのか、将来にわたってどの程度の駆除従事者を確保する必要があるのか、そしてまた、私ども大変関心を持っておりますのは、ライフル銃の所持者の増加ということになった場合に、その危険、危害はどの程度増加するのか、様々な観点から検討をすべきものと考えておるところでございます。


*ライフル銃免許取得資格の見直しを!

〇松村龍二君
 大臣のお答えをいただく前に、そういう御答弁であれば是非発言させていただきたいと思うんですが、今申しましたように、業とする者とか被害を受けている者というせっかく法律で道が開かれているわけですが、現実にそのような方がほとんどいないということだから今質問しているわけです。それじゃ業とできるかというと、やっぱり一般サラリーマンをしながら猟をする方が多いわけで、業というふうに直ちに認定されるということは事実上難しいだろうと思います。したがって質問しているのです。散弾銃を十年持っていたら何でその人は習熟したと言えるのか。五年では駄目なのか、三年では駄目なのか。
 私、こんな質問はしたくないのですが、先般、自動小銃について質問をしました。警察官は、自分が銃を持っているのは安全で、一般の国民は狩猟を業とする人間でも危なっかしくてライフルは与えられないと。こんなばかな話は通用しませんよ。したがって、十年という問題については、だからこそ今こうやって国会で質問しているわけですよ。
 単なる陳情とか要望で警察が直ちにそれを検討しましょうというのなら何もこんなところで質問しませんけれども、やはり政治的な判断といいますか、あるいはさっきおっしゃったようなライフルを持つ人がどれだけ増えたらどういう心配があるのかとか検討する。私は昨日、町の中へ行って銃の雑誌を買ってみました。本当にきれいな銃がいろいろありまして、散弾銃でも持っていれば、クレーでも趣味にする人が十年たったら今度はおれもライフル欲しいなというようなことで都会の方がライフルを持つようになるとか、そういうことはあると思いました。
 農民が、おばあさんが自分の子供や孫に野菜を食べさせようと思って一握りの小さなところで野菜を作っている。それを猿やらシカが取りに来て、イノシシが来て荒らされる。もう、こんな農業やっていられないよというような実態について、猟銃所持の許可権限を持っているのなら、日ごろそれぐらいちゃんと勉強してほしいと思いますね。
 最後に、ちょっと前向きの答弁をお願いします。



○国務大臣(国家公安委員長)・村井仁君
 私の地元も松村委員のところと同じように、実はシカ、カモシカの被害、それから猿の被害が非常に深刻でございまして、地元の猟友会の皆さんが大変な努力をして対応しておられる実態でございまして、先ほど来のお話、本当に同感を覚えながらずっと拝聴をしていたところでございます。
 ただ一方で、日本の場合、日本の治安の良好さの一つの理由が銃砲に対する大変抑制的な社会環境がある。これはアメリカなんかと明らかに違う点ではないかと思っておりまして、例えば、日本の留学していた子供が、ハロウィンに仮装して出掛けて、フリーズと言われて理解せずにいきなり持ち出してきたライフルで撃たれて亡くなったというような痛ましい事件がアメリカでございましたけれども、そういうようなことが日本ではまず基本的には起こらないだろうと、こう思われていることも、これまた一つの事実だと思うわけでございます。
 今、委員のお話を伺っており、また生活安全局長の答弁を聞いておりまして、私、少しこれはよく詰めなきゃいけないなと思いますのは、確かに御指摘のように、銃砲刀剣所持等取締法の五条の二で、確かに、いわゆる猟師でございますね、狩猟等々を職業とする者、それから事業に対する被害を防止するためライフル銃による獣類の捕獲を必要とする者、これは十年というような要件なく与えられる規定にはなっております。それが一体実行されているかどうか、こういう御指摘がございました。この点よく詰めなきゃいかぬと思っております。
 それからさらには、ここのところが非常に厳格に解されて、自分の畑を守るためだけに銃を持つということでなきゃ駄目だというふうに解されているとすれば、確かにおっしゃるように動かない可能性もあるんだろうと思います。 それからまた、猟の実態というのが、松村委員仰せのように、相当集団でやることもこれ事実でございますので、そういう意味でも、この辺りはよく実態を研究させたいと存じます。
 ただ、是非御理解いただきたいと存じますのは、これは私、また地元の猟友会の皆さんともよくお話しする点なんでございますけれども、この技量の問題というのは非常に、特にライフルは威力があるものでございますから、危 険なものでございますから、習熟している必要がある、そういう意味ではある程度しっかりとその技量を磨いていく必要がある、そのための技量が磨かれているかどうかのチェック、それも大切でございますし、それから猟期以外のときにおける訓練でございますね、これもやはり重要だと思っております。
 ちなみに、警察官のけん銃使用に関連いたしましては、できるだけ練習ができる、これはわきの話でございますが、練習ができる施設を鋭意努力して増やすようにいたしまして、技量の向上に努めさせるように今一生懸命努力しているところでございますが、それと同様な期待を猟銃、特にライフルをお持ちの方には期待したい、そんなふうに思っておるところでございまして、いずれにいたしましても一生懸命、先ほども局長から答弁申し上げましたように、許可の手続につきまして省略できるところはできるだけ省略してまいる、そういう努力もする。それから、この条文で認められる形になっていますところが本当に生きるものかどうか、そこは検討させる、その上で実際に有効な有害鳥獣に対する制圧力になるような対応をしたい。一方で、治安の維持という観点から、みだりに銃が流布するようなことは避けてまいりたい。 そのバランスをよく取って対応してまいりたいと思う次第でございます。