| 死刑確定者の刑執行について 参議院法務委員会会議録(平成18年10月26日) ○委員長・山下栄一君 ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る二十四日、小林正夫君が委員を辞任され、その補欠として千葉景子さんが選任されました。 ──────────── ○委員長・山下栄一君 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に警察庁生活安全局長竹花豊君、法務大臣官房長池上政幸君、法務大臣官房司法法制部長菊池洋一君、法務省民事局長寺田逸郎君、法務省刑事局長小津博司君、法務省矯正局長小貫芳信君、法務省保護局長藤田昇三君、法務省人権擁護局長富田善範君、法務省入国管理局長稲見敏夫君、外務大臣官房審議官西正典君及び文部科学省スポーツ・青少年局スポーツ・青少年総括官西阪昇君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ──────────── ○委員長・山下栄一君 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ──────────── ○委員長・山下栄一君 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。 *死刑執行をどう考えているか法務大臣に問う 〇松村龍二君 まず、長勢法務大臣、御就任おめでとうございます。また、副大臣、政務官もそれぞれ御就任されまして、おめでとうございます。 長勢大臣におかれましては、司法制度改革のときにも中核的な役割を果たしておられ、また特に裁判員制度の裁判官、国民の裁判員の数をどうするといった問題等について大変御奮闘しておられたという記憶を持っておりまして、そのようなベテランの方に法務大臣になっていただいたと、心から再度お喜び申し上げる次第でございます。 さて、今回の内閣は、美しい国日本、また世界一安全な国日本の復活を目指すということを言っておられますが、治安が安定しているということは非常に大事な問題であると思います。もう、最近の世相はテレビ、新聞、マスコミを見るまでもなく、大変に皆、国民が憂慮しているところであろうと、こういうふうに思います。 そういう中で、死刑の問題について私取り上げたいと思うんですが、平成七年にオウム事件が発覚いたしまして、富士のすそ野にオウムの本拠地があるということで、そこに捜索が入って松本智津夫も検挙された。それから、それが地下鉄にサリンをまいた、五千人近くの方が傷を負ったと、あるいは死者がたくさん出たといった問題、あるいは弁護士の殺人事件、松本のサリン事件等が暴き出されまして、非常にこのような犯罪を犯す人間については当然に死刑になるだろうというふうに国民は常識的に判断しておりましたところ、なかなか裁判が手間取りまして、今年ようやくその首魁について判決が確定するといった状況、それまでに実行犯の何人かは死刑の判決が出ておる、しかしその刑の執行を受けたということを聞いていないわけです。 やはり、この死刑の制度についていろいろな位置付けがなされると思いますけれども、とんでもない犯罪をした場合には死刑になるということは、小学生に至るまで、国民が日本の法体系について信頼を寄せる原因に、状況になっているんじゃないかな、こういうふうに思うわけです。 その意味におきまして、前法務大臣が、十一か月以上勤務しておられたのに死刑の執行について執行書へサインされなかったということでございます。これについては、法務大臣も就任早々マスコミからいろいろ質問を受けられたり、また先週は、二十日には衆議院でも石関議員が質問したというふうに承知しているわけでございます。 そこで、質問に入っていくわけですが、長勢法務大臣は先日のごあいさつの中で法務行政に対する思いを述べられましたが、そのトップに、世界一安全な国日本の復活に向けて全力を挙げられる旨取り上げられ、犯罪者を早期に逮捕し、迅速な裁判を行って、適正な科刑を実現し、刑事システムの強化に努めると発言されておられます。適正な科刑とは、執行段階においてもきちんとした対応が求められるということでもあると考えますが、適正な科刑を実現することとの関連において、死刑の執行についてどのように認識されておられるのか、お伺いします。 ○国務大臣・長勢甚遠君 おはようございます。 刑事法制又はその執行がきちんと行われることが治安の基本でございます。それを所掌する役所として、そのために全力を挙げてまいりたいと思っております。 さて、死刑の件でございますが、私も就任以来、私のホームページにもたくさんの意見が寄せられました、死刑に関してですね。大部分が、死刑の執行については早く署名しろという意見が大多数でございまして、そういう国民の声かなと伺ってはおるわけでございますが、死刑というのは人の生命を絶つことになりますので、極めて重大な判断を要する問題だと思っております。 一方で、この法治国家において、確定した判決を確実に実行するというのは基本でありますから、このことは重く考えなければならないことでございます。 こういう観点から、刑事訴訟法において、死刑の執行について規定が設けられておるわけでございますので、その法に沿って慎重に判断をしてまいりたいと考えておる次第でございます。 〇松村龍二君 まず法務省の刑事局長に、手続的な現在の法体系について伺うわけですが、死刑判決の確定から執行までの具体的手続はどのようになっているのか、お伺いします。 ○政府参考人・小津博司君 お答え申し上げます。 死刑の判決が確定いたしますと、その後、関係の検察庁の長から死刑執行に関する上申を待ちまして、確定記録を取り寄せます。そして、法務省内の関係各部局におきまして、判決及び確定記録の内容を十分精査いたしまして、刑の執行停止、再審、非常上告の事由あるいは恩赦を相当とする情状の有無等につきまして慎重に検討し、これらの事由等がないと認められた場合に初めて法務大臣において死刑執行命令を発することとなるわけでございます。 なお、検討の過程におきまして、再審請求や恩赦の出願等がなされている場合にはこれも十分参酌されることになるということでございます。 〇松村龍二君 昨今、新聞を見ておりますと、死刑の判決というのは非常によく目立つわけですね。マスコミの解説でも、一人を殺した人間はなかなか死刑にならないんだと、複数以上は何とかと、いろいろ解説をされるわけですが、そういうような話をクリアして恐らく裁判官としては判決を下されるんだと思うんですが、死刑の判決というのは非常に昨今目立ちますね。 そういう意味におきまして、死刑の判決がどれぐらいあるのかということは、今お手元に資料として配付しておりますが、これは最高裁の司法統計年報によるものでございます。平成八年から十一年までは十名以下でございましたけれども、平成十二年以降、第一審において十名以上の判決があると。それから、控訴審で平成十三年に十六人、十五年、十六年、十七年と、控訴審で死刑の判決がございます。これ、足すものではなくて、第一審においてこれが控訴されて判決というようなことでの、そういう関係にあると思いますが、上告審においてはこのような数字でございまして、死刑の判決がかなり最近よく行われているというふうに思うわけでございます。 そこで、それでは、確定した数はどうなっているのかということで、近年におきます死刑確定者数はどのようになっており、その結果、現在執行されていない死刑確定者は何人いるのか、 また、そのうち死刑判決が確定してから六か月を超えている人は何人いるのか、法務当局にお伺いします。 ○政府参考人・小津博司君 最近十年間の死刑確定者数でございますけれども、平成九年が四名、十年が七名、十一年が四名、十二年が六名、十三年が五名、十四年が三名、十五年が二名、十六年が十四名、十七年が十一名、本年十八年は九月末現在で十三名でございます。 死刑判決が確定して未執行の者は、本年九月末現在で合計九十名でございます。また、そのうち死刑判決確定後六か月を超えた者につきましては全体で八十二名でございますが、このうち現在及び過去に再審請求等を行ったことのある者が相当数含まれていると、こういうことでございます。 〇松村龍二君 近年における死刑確定者数がこの三年間だけでも三十八名と。一方、死刑が執行された数は、矯正統計年報によりますとこの三年間では四名、四件、平成十四年は二名と、このような数でありますから、先ほどお話のありました九十ないし八十二名から、このような数の死刑執行者であるということで、この九十名ないし六か月以上八十二名という数は大変な数ではないかなというふうに御指摘さしていただきます。 それでは、現時点において、死刑確定後、最も拘置期間が長くなっている人は何年ぐらいなのか、法務当局に伺います。昔、帝銀事件ですか、のときに平沢さんが非常に死刑執行されない、確定した後、死刑執行されないという記憶がありますけれども、何年ぐらいになるでしょうか。 ○政府参考人・小津博司君 特定の案件について直接お答えするということは少し差し控えさしていただきたいのでございますけれども、拘置期間が二十年を超えている者が数名いるわけでございます。これらの者につきましては再審請求が何度も出ている等の事情があると、こういうことでございます。 *死刑確定後、執行までの平均期間 〇松村龍二君 新聞報道によりますと、池田小学校事件の犯人が判決確定後、短い期間内に執行されていたようでありますが、死刑確定後、執行までの平均期間はどれぐらいになるのか、法務当局に伺います。 ○政府参考人・小津博司君 平成八年一月から平成十七年十二月までの十年間におきまして死刑を執行された者につき見てみますと、判決確定後、執行までの平均期間は約七年五か月でございます。 *執行までの期間が、長くなっている理由は 〇松村龍二君 刑事訴訟法を見ますと、再審請求等がなされている場合や受刑者が心神喪失の状態にあるときや懐胎しているときには死刑の執行は停止されていると。法律で執行が停止される場合ありますけれども、これを除きますと、執行までの期間が、今七年五か月というお話でありましたが、長くなっているという背景としてはどういう理由が挙げられるのか、法務当局にお伺いいたします。 ○政府参考人・小津博司君 刑事訴訟法第四百七十五条第二項は、死刑執行の命令は裁判確定の日から六か月以内にしなければならない旨規定しておりますが、裁判の執行とはいえ、事は人命を奪う刑罰の執行に関することでございますので、すべてについて機械的に六か月以内に執行することが妥当を欠く場合も考えられ、その執行につき慎重を期すべきという趣旨から、同項のただし書におきまして、上訴権回復や再審の請求、非常上告、恩赦の出願等がなされたような場合には、その手続が終了するまでの間はこの六か月の期間に算入しないことが規定されております。 判決確定の日から執行までに相当の期間を要しているのも、再審請求や恩赦の出願等を再々行っている者がある等の事情により、その執行に慎重を期していることによるものでございます。 〇松村龍二君 答えにくい質問かと思いますが、死刑の執行を受ける者の選択はどういう基準に基づいているのか、法務当局に伺います。先ほど申しましたように、サリン事件で実行者が死刑の判決が下っておると。しかし、首魁については決まっていないというようなときに、まあ順番が回ってこないとか、いろいろな判断の基準があろうかと思いますが、お伺いいたします。 ○政府参考人・小津博司君 先ほど御説明申し上げましたように、死刑判決が確定した場合には法務大臣の命令によってその執行をしなければならないわけでございますけれども、原則といたしまして死刑判決が確定した順に検討を行いまして、個々の事案について関係記録を十分に精査し、刑の執行停止、再審、非常上告の事由あるいは恩赦を相当とする情状の有無等につき慎重に検討いたしまして、これらの事由等がないと認めた場合に初めて執行命令が発せられるということで、慎重かつ適正に対処しているところでございます。 〇松村龍二君 拘禁ノイローゼの発症等の危険性を考えますと、判決が確定してなお長い期間拘禁しておくことは死刑確定者にとってはかえって残酷であるとする意見もありますが、この点についてはどのように考えておられるのか、法務当局に伺います。 ○政府参考人・小津博司君 ただいま委員御指摘のような意見もあるということは私どもとしても承知しているところでございます。 他方、判決確定の日から執行まで相当の期間を要しているのは、先ほど申し上げましたような事情によりましてその執行に慎重を期しているということでございます。 *死刑制度の存廃について法務大臣の所見を問う 〇松村龍二君 そこで、大臣にお伺いするわけですが、死刑制度廃止を求める団体などは、国際的な動向として世界の半数以上の国が死刑を廃止していると訴えております。 一方、国内を見ますと、平成十六年十二月に行われました世論調査では、八一・四%の人が場合によっては死刑もやむを得ないと答えております。これは過去最高の数値ということであります。 他方、前回の平成十一年九月に行われた世論調査と比較すると、どんな場合でも死刑は廃止すべきであると答えた人の割合は低下しております。八・八%から六%に下がっております。また、死刑制度の将来の存続についても、将来も死刑を廃止しないと答えた人の割合が五六・六%から六一・七%に上昇しておりまして、状況が変われば将来的には死刑を廃止してもよいと答えた人の割合が低下いたしております。三七・八%から三一・八%という結果が出ているのであります。 日本という国は、古来、あだ討ちという物語もありますように、国民的な感覚、今、安倍内閣は日本の伝統、日本的なものを重視するというようなことも述べておられますけれども、日本人のそのような今世論調査に表れた数字は、日本人の秩序観あるいは総合的な観点からそのような判断をしている結果が出ているものというふうに思うわけであります。これらの世論調査の結果を踏まえた上で、死刑制度の存廃について法務大臣の所見をお伺いします。 ○国務大臣・長勢甚遠君 死刑制度をどうするかということは、我が国の刑事司法制度の根幹にかかわる大変重要な問題でございます。 今、日本の伝統というお話もありましたが、いずれにいたしましても、国民の世論の動向に十分配慮しながら、社会の正義の実現、また治安の維持等々の観点から慎重に判断をしていかなきゃならないと思います。 御指摘のとおり、国民世論の多数は極めて悪質、凶悪な犯罪については死刑もやむを得ないという考えが多数でございます。昨今またいろんな凶悪犯罪が発生をしておると、こういう状況を考えますと、著しく重大な凶悪犯罪を犯した者について死刑を科するということもやむを得ないのではないかと考えておるわけでありまして、今死刑を廃止するということは適当ではないというか、慎重に考えなきゃならぬというふうに考えております。 〇松村龍二君 死刑については誤判の危険性がよく指摘されて、いったん間違ったときには取り返しが付かないというような表現が行われるわけで、そういうことから廃止を求める声がありますが、しかし、日本の場合は欧米の陪審員制度と違います。また、現在、日本の司法が非常に慎重であるというようなこと、信頼性があるというようなことから、誤判の問題については日本では諸外国に比して少ないんじゃないかなというふうに思いますが、論理的には懲役刑についても同様の問題があるはずであります。間違って懲役で刑務所に過ごしたということになれば、その人の一生にとっては取り返しが付かないということは同じでございます。 そういう意味においては誤判の防止に努力を傾注すべきであり、捜査や裁判の一層の適正化や充実を図っていくべきものと考えますが、この点について法務大臣の所見をお伺いします。 ○国務大臣・長勢甚遠君 死刑制度については、廃止という御意見の方もおられるわけで、今御指摘のような論拠を持っておられる方もおられると思います。 死刑に限らず、裁判に誤審があってはならないということは言うまでもないことでありまして、それに法務当局も、また法曹にかかわる裁判官を始め皆さん方も全力を挙げておられるわけですし、特に我が国は三審制を取っておりますし、また再審制度を含めて非常に慎重な手続を取っておるわけでございますし、また確定した後も慎重な、執行に至るまで、先ほど刑事局長が説明いたしましたような、慎重な配慮をしておるわけでございます。 そういうことを踏まえて、かつ、昨今凶悪な犯罪が増えておるということも含めますと、今おっしゃったような観点から廃止をするということは必ずしも適当ではないというふうに考えます。 *死刑の執行が厳正に行われるということが大事では 〇松村龍二君 大臣の御判断、また御決意はよく伝わりましたので、これぐらいで質問を終わらしてもよろしいかと思いますが、最後にもう一つお伺いします。 司法の判断は確定しているのに行政側が執行しないということは行政の怠慢とも言えるのではないか。死刑の執行につきましては、先ほど説明がありましたように、刑訴法四百七十五条において、死刑の執行は法務大臣の命令による、また四百七十六条においては、法務大臣の命令があったときは五日以内に執行しなければならないというふうにされております。 死刑の執行についてはひとえに法務大臣の判断によるところとなっております。被害者遺族の感情や一般の国民感情にとっても死刑の判決が確定したということだけで足りるものではありません。死刑に至ってこそ完結を迎えるものと思います。また、国家のありようから見ても、確定した判決の執行が適正に厳正に行われてこそ法治国家と言えるのではないかと、こういうふうに思います。 私も、江戸時代の科刑というちょっと本を読んだことがありますが、日本のその時代においては、被害者の報復意識、これを満足させるを大変な重点が置かれていたというふうにその記事の中に書いてございました。江戸時代には、死刑、遠島、島流し、それから軽い犯罪等については大きなお店のでっちに預けて周りの兄貴分から矯正してもらうといったのが原則的な日本の科刑のシステムであったというようなことで、私の福井の田舎においても、小さいころ銭湯に行きますと、科刑、斬首があった話をそこの老人から聞いたこともございます。 そのようなことで、前大臣が確信的に死刑を執行しなかったようにうかがわれるわけですけれども、先ほどの数字から見ましても、日本の治安を全うする、また少年に対して勧善懲悪といいましょうか、悪いことをしたら報いがあるということを教え込む意味でも死刑の執行が厳正に行われるということが大事であるというふうに思いますが、重ねて法務大臣の見解をお伺いします。 ○国務大臣・長勢甚遠君 科刑は報復という観点からだけ考えられるべきものかどうかは議論のあるところだろうと思いますが、被害者のことも心情として配慮をしなければならない大事な問題だと思います。 いずれにいたしましても、大変気の重い話でございますが、法務大臣は法の執行の責任者という立場にあるということを十分認識をして判断をしてまいりたいと思っております。 *刑務所の過剰収容問題と仮釈放・出所後の問題について 〇松村龍二君 次の質問に移りますが、私も参議院の法務委員会に長らくお世話になっておりましたが、この一年間法務委員会離れておりました。ちょうど一年前、刑務所の問題について、過剰収容の状況があるということで、予算も計上されて施設の増強等にも努めてきたと思うんですが、最近の収容状況、その対策について法務大臣にお伺いします。あわせて、刑務所内におきます矯正処遇のうち、性犯罪等について改善指導の効果的な実施にどのように取り組んでいくのかもお伺いします。あわせて、刑務所からの仮釈放者の所在不明の問題、就労先の確保の問題、民間の更生保護施設では対応し切れない場合があるという問題等を踏まえ、社会内処遇の強化のためこの間どれほど進展してきたのか、施策をお伺いいたします。 ○国務大臣・長勢甚遠君 刑務所の過剰収容の問題は御指摘のとおりでございます。 もう収容者が年々大きく増大をしてまいっておりまして、受刑者は平成十七年度中に約三千六百人増加をするという状況にございます。平成十八年七月末現在でもう七万七百人という状況で、いずれ八万人になるだろうということが予測されるわけです。現在の収容率も一一六%という状況でありまして、大変厳しいものがございます。このため、施設の増築工事等々をやってまいりまして、平成十七年度末には約千八百人分の収容棟などが完成をしましたし、これからPFI手法などを活用いたしまして、平成十九年度末までに約九千人収容能力を強化をすることにいたしておりまして、これが完成すれば少しは緩和に役立つ、大きく役立つと、このように期待をいたしております。 しかし、まだまだ今後の増加傾向を考えますと大変な状況でありますし、施設だけではなくて刑務官等の増員も併せてやらなきゃなりませんので、大変大きな課題だと思っております。 是非、先生方の御支援をよろしくお願いいたしたいと思います。 次に、刑務所における改善指導についての御質問がございました。 改善指導は、受刑者に犯罪の責任を自覚させ、社会生活に適応するのに必要な知識及び生活態度を習得させるために行うものでございますけれども、特に薬物に対する依存があることなど、犯罪につながる特別な事情を有することにより、改善更生及び円滑な社会復帰に支障が認められる受刑者に対しては、特別改善指導として標準的なプログラムに基づき薬物依存離脱指導、暴力団離脱指導、性犯罪再犯防止指導、被害者の視点を取り入れた教育、交通安全指導、就労支援指導を実施をいたしておるところでございます。 これはなかなか苦労の要る仕事でございますが、プログラムの充実や指導者の育成に努めるとともに、専門的知識や経験を生かした指導、援助をしてくださる民間の方々にも御協力をいただくなどして充実を図っておるところでございますので、今後とも効果的な改善指導の実施に努めてまいりたいと思っております。 また、仮釈等の所在不明者の問題についてお話がございました。 一昨年から昨年にかけて保護観察対象者による重大再犯事件が多く発生をいたしました。こういうこともありまして、法務省においては保護観察における再犯防止機能を強化することといたしております。まず、保護観察中に所在不明となった者の所在調査を強化をすることとし、昨年十二月から警察の協力も得て所在不明者の発見に努めており、平成十八年七月末現在で所在不明中の仮釈放者は前年同月比約百八十名減りました。それでも今現在四百三十三名でございます。また、対象者の就労を確保し、生活の安定を図るための取組を強化をすることとして、今年の四月からは厚生労働省と連携をして職場体験講習の実施、試行雇用奨励金の支給、身元保証制度を始めとする総合的な就労支援対策を実施しておるところでございます。 さらに、主として刑務所からの仮釈放者、あるいは少年院からの仮退院者の改善更生と自立を目的としていわゆる自立更生促進センター構想を今推進しておるところでございますし、こういうことを含めて、今後ともこの再犯防止また保護観察処分の強化対策に努めてまいりたいと思っております。 〇松村龍二君 どうもありがとうございました。 |